〜エピローグ〜







あなたは日常の中で、ふと虚無感を感じた事はないだろうか




とりわけ日常生活に差し支えはないものの、あって当然のものが突然なくなった




非常に些細な事ではあるが、それをするのが当然になっていた




大した事じゃないのに何か物足りない








・・・・・・








そう、それはまるでいつも目にしていたお隣の家に書いてある落書きであったり








別に何を見るでもなく朝食の時につけるテレビであったり








毎朝同じ時間に聞こえてくるお隣のご主人の「いってきまーす」の声








日曜日にテレビを付けていると気がついたら流れているサザエさんの音楽








いつも決まった時間にすれ違う可愛い女子高生の女の子








いつも誰かも知らないのに毎朝会釈するおばさん








毎夜聞こえてくる犬の鳴き声









猫の鳴き声









鳥のさえずり









タンスの傷









絨毯の焦げ目









同じ茶碗









同じ湯飲み









同じ箸









同じ歯ブラシ
















そして・・・







































「神父日記」
































これらは決して自分の生活に影響を与えるものではなく、日常にありふれた毎日のいわば雑踏の様なもの




無くなっても別に気に病むことはない

普段通り何もかわらない至極普通の生活が営める




しかし



あって当然のものが無くなったとき人は初めてそのものの大切さに気づく

その些細なことが如何に自分の生活に重要であったかを悟る




割れてしまった茶碗は元には戻らない

たとえ同じ物を買ったとしても細かい汚れや傷はもどらない

女子高生は卒業したらもうすれ違わない

絨毯の焦げ目までもが長年付き添うと愛おしくかんじてしまう











もう誰も時間を戻すことはできない



それぞれの心の中でしか生きていかない



いや、あまりにも些細な事すぎて、完全に忘れている事も多いだろう









しかしふとしたときに人間はフラッシュバックする











「ああ、そういえばあんな事があったな」











「ああ、そういえばあんな傷があったな」











「ああ、そういえばあんな茶碗使ってたな」











「ああ、そいいえばあんな娘がいたな」






























「ああ、そういえばあんなサイトがあったな」


























「なんていったっけあのページ」



























「そう、あのなんとか教会って変なやつ」
























「今思えばあれなんだったんだろ」






















※皆様にご支援、ご指示、ご愛顧いただいた「聖アンダーマミーア教会」ですがこの度諸事情により残念ながら閉鎖となりました。ウェヴマスターもさんざん悩み大変苦い決断を下した次第です。何卒ご理解の程よろしくお願い致します。






追記






シスター「し、神父様」

神父  「・・・」

シスター「ついにこの日が来てしまいましたのね」

神父  「・・・うむ」

シスター「・・このご決断、さぞお辛いかと。心中ご察しします」

神父  「おお、おぬしはなんと優しいのじゃ」

シスター「いえいえ、わたくしは諸事情をすべて存じ上げておりますので・・。でもなによりも救いなのは、神父様がただ単にサイト管理に「飽きて」止められるわけでは無いことですわね」

神父  「・・・・・」

シスター「・・・・・」

神父  「・・・・・」

シスター「(ハッ)」

神父  「・・い、いやいや、いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや、勘違いするでないぞシスターよ。まあここでワシの内情を多くは語れぬが、とにかく、「更新したくても出来ない」という現実には間違いがない。いや、物理的には可能であるが、もうこの段階ではここで更新する意欲というものが沸いてこないのだ。沸かないというれっきとした理由が存在するのだ!!どうだわかったか!!ええいええいええい!!」

シスター「わ、わかってますって神父様」

神父  「ハァ、ハァ、ハァ」

シスター「・・で、これからどうなさるおつもりですか神父様」

神父  「どうするって、あんた、どうもこうもしない。いちラジニストとして平々凡々と生きていくつもりぢゃが」

シスター「あらま!」

神父  「ん?なにか問題でも?」

シスター「おおありですわ!だって神父様、全国、いや世界中から寄せられた復活を望む声に「復活はしばらくお待ち下さい」と、平気でお返事していたではありませんか!」

神父  「ぢゃからそれはやむを得ない理由だと説明・・」

シスター「いいえいけません!ダメです。うそつきはいけません!」

神父  「・・そんなこと言われたってなぁ」

シスター「では移転というのはどうでしょう」

神父  「あーだダメダメ。そんな事したって速攻でばれるって」

シスター「だったら・・ほら・・・」

神父  「んん?なになに?」

シスター「(ヒソヒソヒソ・・)」

神父  「(ん?・・・ほう。ふむふむ)」

シスター「(ヒソヒソヒソ・・)」

神父  「(ほうほうほう、なるほどなるほど)」

シスター「でしょ?・・で、(ヒソヒソヒソ・・)」

神父  「ほお〜〜!なるほど!そうかその手があったか!」

シスター「でしょ?でしょ?でしょ?」

神父  「なーるほど、そんなこと・・・」

シスター「ええ!」

神父  「で、できるかい!!」

シスター「・・やっぱり」





神父  「月並みではありますが、いままで本当にありがとうございました」

シスター「ありがとうございました」

神父  「この一年間で教会を運営するにあたり、自分自身にとって色んな意味でメリットになったことは一言では語りきれず、本当に素晴らしい一時でした。この様な形で最後を迎えるのは不本意ではありますが、改めてここに感謝の意を示したいと思います」

シスター「本当に残念ですわ」

神父  「うむ。しかしワシはサイト維持を諦めたわけではない。近い内にかならずや違う形でこの広いサイバーワールドに出現したいと思う!」

シスター「まあ!本当に!?・・素敵ですわ神父様!」

神父  「それでは諸君、また会おう!」

シスター「皆様、ごきげんよう!」







※神父とシスターの短い物語はこれでおしまいです。二人が皆様の前に現れる事はもうありませんが、でも彼らはまたきっとこの広い世界のまたどこかで、楽しい毎日を始める事でしょう。それまで、しばしのお別れです・・。




平成14年6月8日   「聖アンダーマミーア教会」 閉鎖

Webmaster:gypsyking
since 2001/2/26 to 2002/6/8

 

TOP