福井の小さな山歩記
カミさんとゆく取立山
うちのカミさんは、スノーシューで六呂師スキー場の上を少し歩いたことはあったが、いわゆる雪山登山は
経験がなく、今年の冬こそ連れていってあげるとカンジキまで購入してあったのだ。ところが、天気が良くて
お互い時間が空いていて、且つ私の体調がいいと云う日はなかなか無いのだ。しかし、やっとその日が巡
って来た。
初めて登るに相応しい山として取立山(1307.2m)を選んだ。手軽に登れて目の前に真っ白な白山が見
られるので、晴れていればきっと感激して貰えると思う。朝早いほど雪が締まっていて歩きやすいと急がせ
て、157号線の魚料理屋の向かい側近くから歩き始めたのが8時ちょうどになった。車は林道入り口前に
一台と魚料理屋前に私の車一台のみ。
東山いこいの森の林道は全く除雪されていないので、国道から直接トレース跡が始まっているこちらから登
る。トレース跡はほぼ東に向かって登っている。カンジキは要らず歩きやすい。私のペースでゆっくりと登る。
天気は申し分ない。カミさんの冬山デビューに相応しい絶好の日和となった。
時々立ち止まっては後ろを見ると、そこにはいつも越前甲が輝いている。一時間程で南側が開けた処に出て
休憩。スキージャムからだろう拡声器の声が聞こえてきた。そこから暫く進むと急斜面をジグザクに登り、眼
前に急登を見上げる処で一休み。カミさんが急登を背景に写メールをあちこちに発信だ。すぐに返事がいくつ
も来て忙しい。
これ私です 雪の山頂は広いです
急登を登り切ったところで早いテンポの鈴の音が下の方から聞こえてきた。二人連れが姿を現し、見る間に
近づいてきて頂上手前で追い抜かれてしまった。若いご夫婦だった。山頂でスキーで降りようとしている単独
の人がいて今日の登山者はこの5人だけだった。山頂は微風。風は冷たかったが静かで最高の雰囲気だ。
なにしろくっきりと白山が目の前だ。あまり近いのでカミさんは白山は見えないなあなどと気が付かなかった
くらいなのである。
白山をバックに 山頂にて
到着は11時で、休み時間を入れてちょうど3時間、普通の人より30分から1時間は遅いペースだが、苦しさ
も程々で登れるのだから大満足である。カレーウドンを作り、紅茶を沸かしたりと周囲を眺めながら一時間も
頂上で過ごした。この山の先で遭難騒ぎが起きたなんて想像も出来ない今日の静けさだ。
若いご夫婦が下山されるのを待って我々も下山開始。ちょうど12時、山頂を後にゆっくりと降り始める。やは
り雪は柔らかくなってきていて、ときどきズボッと足をとられる。そこで急斜面が終わったところで、せっかく持
ってきたのでカンジキを履くことにする。カミさんが真新しいカンジキを初めて装着。足下だけをデジカメに記録
する。折角履いたのだからと少し遠回りをして林道を歩いてみたりして、午後2時に157号線の登山口着。
今日はほんとに良かったなと満足感にひたりながら、街中の温泉「水芭蕉」で汗を流したのでありました。
2万5千分の1地図 「北谷」、 歩いた距離片道 2.8km(gps による)
高度差700m、我々の登りに掛かった時間 3時間(休憩含む) 下り2時間
('04年2月20日)