北陸の峠道


油坂峠

皆さんご存じの油坂峠。真っ先に歩く様な色々な歴史の出来事に彩られた有名は処なのだが何故か
今頃になってしまった。美濃街道が県境の山を越える処にあるこの峠は、穴馬越えとも呼ばれ、昔から
重要な峠だった。歴史やその他諸々のことは「穴馬の歴史(油坂峠)」というホームページに詳しく述べ
られている。今回は「越前若狭峠のルーツ」(上杉喜寿著)に、旧峠はトンネルの上でなくて、それより
500mばかり南に下がった処だったとあるので、そこも確かめたいと思って出掛けてきた。

 
和泉村側トンネル手前登り口                    白鳥側トンネル手前登り口

途中雨が降っていたが、県境のトンネル手前の登り口に着いた時は雨もあがり、最後は気持良い晴天と
なった。登り口には岐阜ナンバーの先客がいた。緩やかな歩きやすい道を、ゆっくり歩いても15分もあれ
ば峠に着く。 石で整備された「蝶の水」、そばに立派な句碑、少し離れて南無阿弥陀仏と刻まれた往来
安全を願った碑が建っている。句碑はここの雰囲気に相応しくないだいぶ新しいものだ。

  
       蝶の水                       句碑                    南無阿弥陀仏の碑

鈴の音がして二人連れが茸の入った袋を下げて車へ戻るところだった。クリタケとシャカシメジだと云って
見せてくれた。私は石碑などの写真を撮って峠を越えて白鳥側へ。福井県側に比べて荒れた道だ。雑草
に覆われているし、一部崩れている処もある。しかし、こちらも10分か15分でトンネルの向こう側出口の
近くへ降り立つ。少し急なところもあった。この先の峠道は国道で切れぎれになってしまったのか。

そこから峠に登り返し尾根筋に入り旧峠を目指す。目指す峠は827mのピークと825mのピークの間の
鞍部と見当を付けていた。最初のうちは薮が煩く、一部植林された杉沿いに歩いたりしたが、半分くらい
過ぎたと思う辺りからはっきりとした道となって峠へ下った。見るからに峠と判るような鞍部だった。

峠には何も無かったが、白鳥側へ降りていく道も確認出来た。和泉村側へも道が降りているので、それを
辿ることにする。残念な事にこの峠は、写真を見ても何だかよく判らない。カメラが安いのかも知れない。そ
れで写真は載せられなかった。だいぶ自動車道路から離れたので熊ベルを付けて歩くことにする。そうし
たらすぐに熊か猪を捕獲するための仕掛けの横を通り抜けることに。あまり気持のよいものではない。


旧峠から下るとここへ出てくる

臼本林道まではすぐで、見覚えのある石の橋のたもとに出た。ここに道があるなどとはちょっと判りにくい。
熊ベルを鳴らしながら林道を油坂トンネル口まで歩き、ちょっと下って車へと戻った。2時間あまりの峠歩き
だったが、旧峠から少し白鳥側へ降りてみたら良かったかなとも思う。でも、今日は満足だ。車の中で食べ
たコンビニの「おろしそば」も、あんこだらけの饅頭も美味かった。

('04年10月11日)





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