福井の小さな山歩記
赤兎山(1999・10・23)
赤兎山(1,628.7m)は2回目だ。前回はうちのかみさんと来たのだが、遠い昔の
ように思われる。その時はニッコウキスゲがちらほら咲いていて、とても気持ちの
良い一日だったように思う。紅葉の季節ではなかったけど、登って降りるまで誰
にも会わなかった程静かだったのだ。勿論駐車場もなかった。
今日は9時35分頃駐車場に着いたのだが、ほぼ満杯で道路にも沢山停まって
いた。50台位はあったみたいだ。
登り始めた時、私は12人のパーティの後ろになってしまった。若い女性も沢山い
るし、しんがりは爺さんだった。間もなく先頭のリーダーが立ち止まって、「靴ひも
やリュックのひもの悪い人は直して下さい」と叫んだ。「顔が悪い」「それはちょっ
と難しい」キャッキャラ きゃっきゃらとそれはもう賑やかこのうえないと云った感じ
なのではあります。
登り始める頃から晴れ間が広がり、黄や赤に色づいた葉が日射しの中で、山道
を暖かい明るさに包んで気持ちよい。
小原峠の石仏には、一個百円はすると思われる柿が三つも供えられていて、お
菓子が袋ごとお供えしてあったりした。私が「立派な柿だなあ」と言ったら、どこか
のおばさんが、「今年はうさぎ年だから,記念に沢山来るのでしょう」と言う。そう
なのだ。今年はうさぎ年だし、昭和14年生まれ、還暦を迎える人はみんなうさぎ
年なのである。今年は赤兎山に登らなければいけないの年なのだ。今日登って
いる人は皆うさぎ年なのかもしれない。
デジカメで石仏を撮ろうとしてシャッターボタンを押したら、そのまま動かなくなって
しまった。リセットすれば使えるらしいがやり方がわからないので、今日は一枚も
撮らずに使えなくなってしまった。あとは予備で持ってきた写るんですで行こう。
頂上近くになったら、急に見晴らしが良くなったが風もきつくなった。赤兎山頂に
は10人位いた。白山はもとより紅葉の(あまり鮮やかとは云えないが)大長山が
目の前にある。私はそのまま避難小屋に向かう。高原の中を景色を眺めながら
歩くのは好きだ。これで風が無ければ最高なのだが。
小屋の中は、風を避けて食事などをする人で満員。小屋の周囲もありこちで円陣
をつくっているし、小屋の後ろへ登ってみたらそこにも数十人。今日はこの一帯
に百数十人は居るようだった。風を避けて斜面に座ってビールを飲んだが、何か
落ち着かないので、少し休んで下りることにした。