福井の小さな山歩記
南竜から別山
南竜山荘の営業は9月末で終わりで、休憩舎を避難小屋として使えるというのでカミさんと寝袋を持っ
て登ることにした。二人でお金を出して山小屋に泊まることを考えれば、その分で寝袋が買えるので思い
切ってカミさんの寝袋を購入したのである。私の物よりだいぶ質の良いものだった。
別当出合から南竜ケ馬場〜別山〜チブリ尾根〜市ノ瀬のコースなので、市ノ瀬に車を置いて、もう一台で
別当出合まで行く予定だった。ところが、5日土曜は別当出合の駐車場が満車で市ノ瀬へ停めてくれとの
ことで、急遽運行となった臨時バスで別当出合へ行くことに。ま、仕方がないか。
南竜ケ馬場休憩舎 左の影は南竜山荘
良く晴れて上の方の紅葉が綺麗だ。南竜山荘に3時半頃着、休憩舎(避難小屋)は余裕を持って泊まれ
るのは16人(2人づつ8区画)で、今日はちょうどぴったしという感じで助かった。3人づつでも大丈夫だ。
明るいうちに夕食を摂った。家から持ってきた塩昆布入りおにぎりと味噌で雑炊を作って食べた。やはり
暖かい汁物は山では美味しい。勿論チーズなどで缶ビールも飲んだのだ。5時半頃に日没で寝るしかな
いのだが、5時45分頃にはすでにいびきをかいている人がいて驚かされる。その反面、皆さん寝袋に入
って静かにしているのに、酒を飲んでいつまでもしゃべっている人がいる。全く周囲のことを考えていない。
これから向かう別山 雲に覆われている
午前4時には一斉に起き出す。星が綺麗だった。食事の後、それぞれ出発。我々は時間に余裕があるの
で6時に小屋を後にした。白山の方には雲が無いが別山の方は雲がのしかかり始めていた。前回強風で
引き返した油坂の頭も順調に過ぎ、大屏風と呼ばれる左側のすごい絶壁の上を歩く。道も狭いし、ここで
脳梗塞になったら終わりだ等と話ながら歩く。
急なところはジグザクに登るようになっていてあまり急登はなく、陽が射さないので長袖でも汗をかかず、
たんたんと歩を進める。4人の女性のパーティと数人の男性と出会う。ちぶり避難小屋に泊まったという。
うちのカミさん
南竜〜別山はWebの白山情報に載っていたコースタイム(2時間半)で歩けた。別山(2399.4m)の頂上
はガスに包まれ周囲は何も見えず、写真を撮ってすぐに引き返して御舎利山からちぶり尾根避難小屋へ向
かう。
ここを登って来る人に何人かと出会ったが、なかなか辛そうだった。市ノ瀬からちぶり尾根を歩いて別山を
(片道8.8km)日帰りするのは大変みたいだ。ちぶり尾根の避難小屋の周りは紅葉が見頃にさしかかっ
ていて足が遅くなる。陽射しが薄くて暗いのが残念だった。小屋で食事を摂って居るときも強風が小屋を揺
すっていたのだ。
ちぶり尾根登山道にて
しかし、避難小屋を後にする頃には空が明るくなり、尾根道は華やかな紅葉のトンネルの中となる。しかし、
私の解像度の低いデジカメでは、陽に照らされて明るく発色してないと暗くて見るべきものは撮れない。沢山
撮ったが使える物が無くて残念だった。でも、肉眼では十分に美しい紅葉を楽しむことが出来た。
(10月5日〜6日)
<2万5千分の1地図 「加賀市ノ瀬」「白山」>
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登山口から市ノ瀬の駐車場へ向かって歩き始めたとき、前を行く3人連れが立ち止まって後ずさりを始めたのだ。
なんだなんだと近寄ると親子連れの熊がいたのだと言う。よくもこんなに人通りの多い処をうろうろしているものだ。
3人連れの前には中年の夫婦が歩いていたはずなのだ。親子熊は水でも飲みに河原にでも降りたのだろうか。