福井の小さな山歩記


段ノ岳


段ノ岳は池田町と今庄町の境にある728.6mの山だ。形の良い山で「福井の小さな山歩記」としては
是非入れておきたいと思っていたのだ。杣木俣の集落から道があるのではと思ったのだが、地元の方
のホームページを見つけて教えて頂くことにした。ご親切にも森林組合の方に問い合わせてもらい、安
全な道をお勧め頂いたのである。



右から稜線を歩いて左の段ノ岳へ 林道から写す

杣木俣集落の右を走る国道476号(この国道は通り抜け不可)から右に登る林道(車は入れない)を、4
〜50分歩くと(終点から300mくらい手前)尾根に取り付くところがある。そこから尾根伝いにずーっと踏
み跡があり、大坂の峠へ曲がり、その稜線伝いに段ノ岳へ向かうと云うルートだ。



林道から尾根に取り付くところ

8時40分、車を後にして林道を登る。今日はかみさんが一緒なのでわらびを見つけると帰りに採るのだと
楽しみにしている。一応林道の終点まで行き、少し戻って尾根に取り付く。もう1時間も過ぎている。道は
はっきりしていて、わらびの大きくなったヤツの間を歩く感じで、時期が時期なら笑いが止まらないほど採
れる等と話をしながら542mのピークへ。そしてなだらかな尾根を大坂の峠に向かう。私は大坂の峠には
以前登っているので、尾根から迷わず曲がって峠へ。



名も知らぬ峠の石仏 昭和9年の文字が刻まれている

そこからの稜線歩きが長かった。道は草に隠れ、雑木を押し分けながらというところが多い。大坂の峠か
ら20分、11時に見るからに峠と云う処に出た。何とそこには石仏が置かれていた。石かんには昭和9年
の字が読みとれた。その頃はこの峠道は使われていたのだろう。雰囲気のある峠なのだがすぐ下に池田
側の林道が走っている。この林道を車で走れれば、ここまで掛かった2時間20分は短縮出来るのだ。

このお地蔵さんの背中から登るようにして道があったのだが、気づかずに尾根の横を進んでしまい、ついに
急斜面を腕力で這い上がって稜線に出るはめになった。そして582mのピークへ辿り着くが、広いので道
はあやふやになり、違う方向に降り始めGPSのお世話になる。

また峠に出る。これが降りたくなる様なU字型の道があるのだ。もう少し行くとまたまた峠に出た。これは
2万5千分の1地図の池田側からの林道と今庄側の「おとと村」の先へ伸びる道が結ばれていたのかも知
れない。そんな感じの位置だ。



三角点と私

あとはただ黙々と登るのみ、とても長く辛く感じたところだ。頂上付近は道があやふやで、杉の植林の境に
三角点を見つけることが出来た。展望は全くなし、時間は午後1時をまわっていた。350ml缶の発泡酒を
二人で飲み合い、簡単な食事を摂り、時間が時間なので1時半に下山開始とした。

歩き出してまず道が全く判らない。<歩いた足跡>を見るとわかるが、頂上付近の登りは真っ直ぐ頂上に
向かっているが、下りは軌道修正を何回もしてやっと正しい道へ出た。木に登って周囲を見渡す力もない
軟弱な私にとってはGPSは必需品なのである。

降りたくなる誘惑にかられる峠に出る。ここを降りれば最短で杣木俣の集落へ下りられるが、U字型の道は
多分ここだけで、下の方は道が無くなっているのだろう。今日はかみさんが一緒なので冒険はやめにして、
往路を辿ることにする。



一面雑草の急斜面を草に掴まって降りたところ 左の大木は真っ直ぐに立っている 撮り方の関係 

ところが、最後に尾根を下って林道へというところで道を間違えてしまい、もう疲れて戻るのも面倒になり、
すごい斜面を林道沿いにある大きな木を目指して、転がるようにして降りたのである。4時50分頃だった。

林道を下る間、かみさんは三ツ葉の群生を見つけて感激したり、わらびを採りまくって大喜びなのだ。昨日
おとといとゴルフの中部女子アマ選手権に参加しての今日の山なのだ。おばさんは強いですねえ。

一本くらい昔からの峠道が残っていて歩けたらいいのになと、林道を造るのも必要なのでしょうが、峠道の
ひとつくらい完全に保存しておいて欲しいなと思ったのでありました。

(5月25日)
<歩いた足跡>



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