福井の小さな山歩記
殿上山
この3連休は天気がわりと良かった。特に23日(月)は好天の予報だったので、今年の締めに「小さな
山歩記」に相応しい殿上山を歩くことにした。なにしろ近いのがいいのだ。福井市と美山町の境にあり、
鯖江から入りやすい。「漆器の里」河和田の尾花町からキャンプ場目指して林道を車で行けるところまで
行くことにする。
殿上山の麓の赤谷には、平家の落人が隠れ住んだと云われ、この山の上に見張り所をつくり警戒に当た
ったという。殿上山の名前も、この人達の平家一門への誇りが込められているとのことである。
林道を登った所に尾花キャンプ場と禅定神社がある。禅定神社の境内では、毎年2月の第1日曜日に
尾花町に伝わる旧正月の奇習「殿上参り」が行われる。厄年を迎えた住民を雪面に放り投げ、厄払いを
行い1年の無病息災を祈願するという。今年は登山道に70cmの積雪があり、先頭の人がラッセルして
3時間も掛かって登ったという。
尾花町からの林道は、土砂崩れなどがあってなかなか怖い。それにだんだんと路面に雪が多くなり、つい
に底が着きそうになったので、諦めて駐車することにした。歩き出したら間もなく禅定神社に着いたのだ。
鳥居をくぐりキャンプ場の中を通ってから林道の土手を登り尾根に出る。林道を少し進んでも先で合流する。
それから雪の積もった階段が続く。歩きにくいのでゆっくりだが、それでも汗が額から落ちてくる。やがて谷側
に樹が無く空が開けているところが続き、そこは雪が締まっていて靴でも歩きやすい。
殿上山 赤い布切れだけが山頂の印のようだ
しかし、靴ではやはり歩きにくいので、002地点で休憩してからカンジキを装着した。そこから林の中に入る
と、とたんに雪が柔らかになるのだ。短いが細い尾根の上を歩くと683mのピークに到着。三角点も無く標識
もない。樹に赤い布切れが下がっていただけだ。頂上は杉や雑木で展望は利かない。
ウロウロして樹々の間から白山などを眺めた。もっと朝早くくれば一乗山まで行ってみたかったのだが。こうし
て見ると、一乗山との中間地点くらいまで白いガードレールも鮮やかな立派な道路が来ているのだ。こうなっ
てくると登山の対象にはなりにくくなるから、ガイドブックにも載らなくなってしまうのだろう。
(12月23日)