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'04年4月23日(金) 尿流検査(術前検査) 昨日埼玉の息子の家にやって来て、今日はそこから病院へ。尿をいっぱい溜めて来てくれとのことだったので、息子の家を出て電車に乗る前に駅の自販機で紅茶を買って飲む。1時間半近く掛かって病院着。 更に飲むヨーグルトなどを飲んで泌尿器科の受付へ。我慢出来なくなったら来てくれと言うので、暫くの間院内をぶらついてから再び受け付けへ。 樹脂製の瓶の底に黒い円盤が高速で廻っていて、それをめがけて放尿してくれとのことだ。瓶からは線が出ていてデジタル表示の機器に繋がっている。じょぼじょぼとした後に超音波だと思うが膀胱の残尿を 計った。残尿はゼロということだった。 そのデータを前に担当医と面接、すごくいっぱい溜めたんだなと言われた。それで予定通り手術をすることを確認し、終わりかと思ったら、術前の人にはすべて検査を受けて貰うことになっているとのことで、胸部レントゲン撮影、採血(6本ものサンプルを採取された)、採尿(もうあまり出ないが)、心電図の記録と あって解放となる。 今日の支払いは、7,840円で、これは80万円の治療費の内には入らない。 '04年4月25日(日) 入院 午前10時に入院してくれと昨日(土)連絡があったので、少し前に病院へ入る。部屋は6Fの4人部屋で富士山の裾が少し見える。トイレとシャワールームがあって、トイレは温水でお尻が洗えるものだった。カードを購入して見るテレビがあり、これはイヤホンを262円で買わなければならない。 6FのフロアにはICカード式の公衆電話が2台あり、アナログでパソコンを接続出来る。今回はノートパソコンを息子の家に置いてきてしまった。 すぐに看護師が来て部屋の設備の説明から今日、明日の治療の流れ等沢山の説明をしていく。またリストバンド(名前や血液型等を記した本人確認用のバンド)を手首にする。尿を溜める瓶や尿瓶を持ってきたり、助手を務める医師も顔を出すなど、しばらくは慌ただしい。医師から「治療後の注意事項(患者さん用)」というものを渡された。 4枚程の個人情報の調査用紙に記入してくれと置いていったが、治療に関係が無い様な質問には答えずに返した。質問する主旨が判らず説明もないので。 そうこうしているうちに昼となって昼食が運ばれて来た。食事内容を記した紙が添えられていて、そこには誕生日おめでとうと印刷されていた。まあ自動的に印刷されてくるのだろうが。 入院第一回目の食事のメニューは、エネルギー1800、塩分9g/日、米飯150g、白身魚ムニエル オヒョウ90 付)茹ブロッコリー、ビーフン炒り煮 アサリ10,青梗菜辛し和え。 エネルギー、塩分、米飯は入院期間中食べた7食すべて同じ印刷がされていた。 高密度焦点式超音波療法(HIFU)後の注意事項(患者さん用) 2003/6/30 自転車は3ヶ月間禁止、飲酒は1ヶ月間禁止(1ヶ月以降もほどほどに)、3ヶ月以降は自由。これ以外には何の制限もない。 バルーンの留置と抜去:尿の排出を確保する管だが、最初の内は手術の翌日には抜き取っていたらしいが、約80%の患者が尿が出なくなる状態になったため、現在は約2週間後に抜き取ることにしたとのことである。これについては手術後に説明を聞いたのだが、尿管は前立腺に取り囲まれていて、その前立腺を超音波で焼くため、前立腺が腫れて尿管を圧迫するためだとのことだ。 2週間経って抜き取った後も再度尿閉となる場合もあり、その時はまたバルーンを入れるとのこと。 バルーンは入れた状態でもシャワーや入浴は可能。 バルーンを入れたままでは、膀胱刺激症状(痛みや不快感、尿の回数の増加)のため、バルーン周囲から尿がでてきたり、血液や膿がにじみ出てきたりすることがあるが心配はいらない。予防としてボルタレン座薬を使用する。バルーン抜取後も頻尿、排尿痛などの症状が1ヶ月程度続き、症状が強い場合はボルタレン座薬を用いる。 などなどのことが書かれているのだが、これまで聞いてきたものより尿道狭窄が当たり前のように発生する内容となっているのでいささか驚いた。バルーン留置状態でもいろいろあるし、QOLの高い手術とはいっても、やはり新聞の記事となると少しオーバーな書き方となるのだろう。少し心配となってきた。 '04年4月26日(月) 手術の日 手術の開始予定はだいたい午後2時半と知らされていて、朝から絶食で水も飲めない。 朝6時半頃だったか浣腸をかけにきた。これが全く出ずじまいだった。 昼過ぎに点滴が始まった。これも後で聞いた話だが、この点滴は栄養の補給もあるだろうが、手術中のいざと云う時に薬剤の注入路を確保しておくためなのだそうだ。 4時半頃に迎えにきて、まずは手術着に着替えて緊張を取るとか麻酔を効き易くするとかのとても痛い筋肉注射をされた。そしてベッドのまま手術室へ向かう。エレベーターに乗ったとき小さい点滴液が新たにぶら下がっていたので聞いてみたら、抗生物質だとのこと。 手術室に入ると手術着は脱がされてしまう。医師が頭の所へ来て、今日はビデオカメラで撮影させて貰う、顔とおちんちんは写さないからと言う。この場に及んではハイと言うだけだ。手術は3〜4時間掛かりますとのこと 体をエビの様に丸めてと言われ背中に下半身の麻酔の注射をされ、すぐに両脚を開いた状態で固定された。医師がもっとしっかり固定しなければ駄目だとの声がして縛りなおされる。治療は1mm単位で行うので絶対に腰から下は動かさないようにと言われた。これは見学者(研修者)にも言われたみたいで、お尻の位置は台から少しはみ出た状態が治療しやすいとも説明している。 私は、この治療を受ける296人目の患者だと説明していた。日本国内でか? そのうちにディスプレイを見ているのか、これが前立腺だとかの声が聞こえてくる。研修者の中には若い女性もいるらしい。説明からすると肛門から指や治療器具を入れたり出したりしている様子だったが、もう何も感じなかった。酸素の細い管が鼻に引っ掛けるように付けられた。 そのうちに治療が始まったらしい。最初の位置を決めると後はすべて自動的にコンピュータが行うようで、何秒間か超短波を照射し何mmか移動して、また何秒間か照射するといった具合だ。そして画面を見ていて異常があるとストップする。「あの白いのはガスだ。おならだ。ガス抜きをします。」「ガス抜きはこうする。」とか説明してまたスタートとなる。 看護師の一人が「いつも頭のそばにいますので何かあったら言って下さい。」とのこと。どのくらい経ったか下腹部に周期的にかなりの痛みを感じるようになり看護師に訴える。医師が「我慢出来ないような痛みか」と言うのが聞こえ、薬の名前を指示した。点滴に麻酔薬が追加されたらしく、それからは少しぼーっとした感じになって来た。痛みは感じていたが眠気も出て、しばらくうつらうつらとしていた様子だ。何回も「はい、終わりました」という夢を見た。最後に医師が私の顔を覗き込んで、「今日は家族の人は誰か来ている?」と聞くので誰も来ていないと答えると「いない!まあいいか」ということで終わりとなった。 終わって部屋へ戻ったら9時15分前くらいだった。4時間ほど掛かったことになるが、そんなに永い時間とは感じられなかった。大部分を眠っていたのだろう。 部屋へ戻ってすぐに息子が来てくれた。息子が言うまで私は全く気がつかなかったが、ベッドから管が出ていて尿袋がぶら下がっているとのことだった。まだ頭を持ち上げないように言われていたので、息子に帰る前にペットボトルのお茶を買ってきて貰い、頭の近くに置いて眠ったのだった。 '04年4月27日(火) 手術の翌日 明け方5時頃に腰が痛くて目が覚めた。同じ姿勢で寝ていたためだろうが、看護師が来るまで我慢して寝ているのが辛かった。 看護師が来て手術衣から自分の下着に着替えてもよいとのことになり起き上がって着替える。右手指の血圧か脈拍監視用の器具も外され、尿袋も外されて左腕の点滴だけとなる。 自由に歩いてよいのだが、バルーンカテーテルがペニスの先から出ていて歩きにくい。管の先には栓がしてあって、尿意を催したらこの栓を抜いて排尿することになる。栓を亡くしたときのために予備の栓を3つもくれた。栓をなくしたら大変ですからね。 朝の食事はどうなるのかなと思っていたら普通のものが運ばれてきた。 ご飯、ナスの味噌汁、ますの切り身を焼いたもの、ごま和え、味付けのり、牛乳 9時過ぎに助手の医師が顔を出して「手術は順調に終わりました」とのことで、点滴も午前中で終わるとのことだ。終わる前に小さい抗生物質か新しい薬剤が追加されたがすぐに終わった。 初めて栓を抜いて排尿をする。パンツが血の色で汚れている。管の外側から漏れてくるみたいだ。なかなか面倒で、チョロチョロとしか出ず時間が掛かる。いつ終わるかも判らない。 第一尿意がはっきりしないのがもどかしい。定期的にトイレに行かなければならない。 昼飯も美味しく食べられた。 隣のベッドの人は今日手術とかで麻酔医が説明に来ていた。私と同じ下半身の麻酔で背中から打つらしいが、私の場合には説明はなかったみたいだ。 晩飯はあなご丼とあったので、あなごが横たわっている姿を想像してフタを開けたらソボロになってちょこっと乗っていただけだった。でも美味しい。 夜遅く、担当の医師が助手の医師と共にやってきて、忙しいのか言うことだけ言ってさっさと出て行った。 福井の病院あてに詳しい紹介状を書いておいたので、今後はそっちで診て貰い6ヶ月後にこちらへ来て欲しい。福井で手に負えないようなことがあったら、いつでもここへ来て下さいとのことだった。 昨日今日と便通がなかったので寝る前に下剤を貰って服用。プルセニド12mgを2錠。 '04年4月28日(水) 退院の日 朝の目覚めもスッキリとしてきた。排尿も少し馴れたかなという感じだ。 2週間分の飲み薬を貰う。毎食後2種類の錠剤を各1錠服用。フロモックス錠100mg、ムコスタ錠100mg。それから痛む時用いる座薬28回分を貰う。ボルタレンサポ座薬50mg。 退院は昼食後にして貰った。昼食後に息子が車で迎えにきてくれた。 退院間際にやっと昨夜服用した下剤が効いてきたのか排便があった。 費用の精算とがん保険の入院証明書に医師の証明を貰う手続きをして退院となった。 手術料80万円、ベッド差額2万円その消費税合わせて計86万1千円、健康保険での支払いは210円で合計861,210円。その他に入院証明1通7,350円。 210円はT字帯か何かの消耗品代か? 息子の家で可愛い孫達に迎えられる。 (このページ終わり) |