還暦つれづれ草


愛車ついに廃車となる

11年間で23万6千km乗った車が、車検の期限が迫ったので修理工場へ持っていって貰った。まもなく
修理工場から電話があったのだ。この車は全体的にガタが来ていて、全部直すと大変な金額になるし、
また次々と悪い箇所が出て来るかも知れない。安い中古と乗り換えた方が良いのではないかと云うこと
なのだ。

ついに来たかと云う感じだ。エアコンは効かないし、車内にオイルの焼ける臭いが漂い、ゴトゴトと床から
響く音がひどい。サスペンションが4つ共にダメになっている。それにタイヤ2本がすり減って針金が見えて
いる始末なのだ。

年貢の納め時が来たのである。ここまで乗る人はそう多くはないみたいで、リース屋さんも笑いながら適当
な車を探しましょうと云うことになった。適当な車とは、月々のリース料が今の車とあまりかけ離れていない
と云うことなのである。
なにしろ来週の金曜日、6月27日で、私は今の会社をお払い箱なる。失業保険にも入ってないし、二期赤
字が続いたので、退職慰労金がいくら貰えるか全くもって心許ない状況なのだ。そんな訳で、まとまった出
費は支払いが難しいのである。

せっぱ詰まったと云う状況だ。そう言えば、1ケ月程前だったか、もう数年かそれ以上も話をしたことの無い
人から電話があって、にっちもさっちも行かなくなって困っている。お宅の会社でアルバイトは出来ないかと
言う。その息子のアルバイト先のことかと思ったら本人だと言う。えーっ、私よりだいぶ年上なのに、それは
いくらなんでも、と絶句してしまった。世の中、何処もかしこも大変なのである。

それにしても、この車はよく走ってくれた。山へ登るとき、峠を歩くとき、いつもこの車が私を乗せて走り廻っ
てくれたのである。途中で動かなくなったのは白木峰の帰り、ただの一度だけだった。それで、最後の乗り
納めに、車検期日直前の土曜に滋賀県朽木村までドライブして駒ケ越(河内越)を歩いてくることにしたの
だ。そして今日、最後の給油をしたのである。

('03年6月19日)


        還暦つれづれ草の目次へ