北陸の峠道


車で牛ケ首峠・花立越
−そして間違いだらけの峠歩き−

今日は勘違いだらけでさんざんな一日だった。でも、牛ケ首峠から大日川の上流へと初めて入れたので
その辺りの様子を知ることが出来てよかった。なかなか雰囲気の良い処だということが判ったのだ。

牛ケ首峠は、小松市の大杉から県道加賀丸山線を国道416号に突き当たるまで、杉林の落ち着いた雰
囲気の中を登って行く。登りきって国道に出たところが峠だ。お地蔵さんがいる。標高は410m位か。



牛ケ首峠 右大杉へ 左新保町から福井県境へ 手前は五百峠へ

国道416号を福井県境に向かって行けるところまで行ってみようと車を走らせる。一応国道なのでほとんど
舗装はしてあるが、やっと通れるところがあると思うと広い処もあるし、道沿いの所々に古びたお地蔵さんが
いたりして、退屈していられない道だ。やがて大日山の登山口の看板が目に入る。車が2台停まっていた。
トイレもあるし、お地蔵さんもいる。

 

大日川沿いの道端にあるお地蔵さん 右は大日山登山口にある

そこから間もなくで通行止めとなっている。道の状態が悪いらしい。そこに行方不明になられた方の車が置
かれたままになっていて、顔写真の立て札が側に立っていた。ここに車を置いたまま行方不明になったの
だろうか。そこと大日山の登山口の間に「白木越」への登り口があるはずなので、歩いて探した。草に隠れ
た川に降りる処を見つけたが、降りてみたらコンクリの橋の残骸みたいなものがあった。だいぶ前に崩壊して
しまったようだ。反対側に草に覆われてはいるが、それらしい処がある。しかし、川を歩いて渡らなければな
らない。橋が無くなったら通る人も少なくなって、峠への道もどうなっているか判らない。今日はパスだ。

だいぶ戻って、新保町から舗装された白木峰林道(と云う名前だと思う)を車で上って花立越に。舗装は峠
までで、その先は工事中だ。花立越も白木越も白峰の方へ越える途中にあるのだが、こちらは私には未知の
領域で、何も情報をもっていないのだ。



花立越えの峠 真新しい石龕が置かれていた

私はかなりいい加減な性格なので、そこで大きな勘違いをしてしまった。林道と峠道は峠のところでクロスして
いると思って、峠の斜面を登って行けば峠道があると思い斜面に取り付いたのだ。それらしい道もあり、最初は
舗装された林道を左に見ながらだったので、何の疑問も持たなかった。しかし、全然違う方向の尾根の上を歩
いていたのである。高度計を見たら1,045mで全然下っていなかったのだ。

峠に戻って食事をし、よく地図を見ていたら、峠道は林道の少し下の方にぶつかっている。そこでその辺りを
歩いて調べたが、この林道が大掛かりな工事で造られていて、それらしい痕跡は見つからないし、もともと峠
道自体もすでに草木に埋められて自然に還っていたのかも知れない。

それならばと林道を下り花立町から峠に登れるか調べてみることする。何軒か家があり一番奥まで行くと畑
でおばあさんを見つけた。この道を行くと花立峠に行けるかと聞くと、行けると言う。そんなに時間は掛からな
いので今からでも行けると言うのだ。それならばと車にとって返しザックを持って歩き出したら、別のおばあさ
んに会った。その方は、もう道は薮でよく判らないし、最近熊も一匹捕まえたし、1人で行きなさるのは止めた
方がいい、道に迷ったらどうなさると強く言うのである。



花立町の最奥 この先の畑でおばあさんに会う

結局、後のおばあさんの言い分が正かったようだ。最初のおばあさんの言う峠というのは別の処を言っていた
様だった。何しろ、その道を真っ直ぐ行けば違う山に登ってしまうのだ。現に登ってしまって両腕が傷だらけに
なってしまったのである。峠への道は見つけることが出来たが、時間切れで戻ることにした。しかし、熊を捕ま
える仕掛けの檻が2カ所もあって、さすがに熊除けの鈴を持ってくれば良かったなと思ったのである。

最初のおばあさんは、後のおばあさんと話しをしたとのことで、私の言う花立峠を理解していた。あそこは昔、
炭焼きをしていた頃は登っていたが、最近はもう炭焼きで行った人でないと判らない。初めての人では無理だ
とのことだった。誰も歩かないので自然に還った状態になっているのだろう。現在花立町には10軒ばかりが
住んでいるが、炭焼きをしていた頃は、何十軒も住んでいたとのことだった。綺麗な沢が流れる山奥の小さな
集落は、何か懐かしい感じがする処だった。

('04年7月17日)
<足跡>



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大日川上流