還暦つれづれ草
変形性膝関節症
これは我々の年代にあってはいたってポピュラーなものらしい。私は4・5年前、右膝を患って
習い始めたばかりのゴルフを諦めたのだったが、今回、この一週間ばかり左膝が痛み出して
ついに病院へ行って来たのである。
でも、山のシーズンも終わり今年も沢山登ったので、まあタイミングとしては良かったかなと思
う。レントゲンを撮っての説明では、そう心配することもないとのことで、湿布薬とあとは時間の
ある時にリハビリ(物理療法)に通えばいいとのことで、膝の骨の老化ですねということだった。
物理療法室へ向かうと中から聞き覚えのある太いダミ声が聞こえてきた。4・5年前、私が右膝
でこの病院へ通った時に、いつも顔を合わせた近所のおっさんだったが、あれからずーっと通っ
ているのだろうか。確かこの病院の近所に勤めているはずなのである。
しかし、歩くたびに傷みを感じて脚を引きずり、おまけに最近は腰を曲げると痛みを感じることも
あり、今日などはさらに微熱があるみたいで、全身倦怠感に襲われると、もう何か人生終わりか
のような不安になってしょぼくれてしまう。もうこのまま脚腰立たずのよいよいになってしまうかの
様なそんな感じなのである。この様な時に女高生を見たりすると、若い時はいいななどと変にあら
たまって思ったりする。
やがて私の番がきて、電気で膝の周りをぐりぐりするのと温湿布、それに脚に重りを付けての上
げ下げを15回ばかり行って終わりとなった。その間も例のおっさんの太いダミ声が聞こえていて
さすが営業マンあがりはよくしゃべるなと思って、カーテンの隙間から覗いてみたら、見覚えのあ
る顔だが、だいぶふけた顔となっていたので驚いてしまったのである。そうすると、私もたまに会う
人から見ると、この様にふけたなと感じられるのかと思うと憂鬱な気分になる。でも私はいつも若く
見られてきたから多少は違うのではないかと思うのではあるが。
(’00・12・15)