還暦つれづれ草
通所保証書
午前中、新聞でも読もうかと思っているときに来客あり、誰かと思ったら近所の旦那だ。話を聞くと
88歳の母親が、現在週4日介護施設を利用しているが、その内1日を近くに新しく出来た施設に
変更するのだという。そして、用件とは「通所保証書」というものの保証人になってくれと言うのだ。
まあ、介護認定を受けているので1日の経費は700円程度とかで、週1日なら支払いが滞っても
たいしたことはないし、そんなに金に困っている様にも思えないし保証人を引き受けてあげることに
したのである。新しい介護施設の経営者も私の知っている人なので、私にでも保証人を頼んだらと
言われたのかも知れない。
この58歳の旦那は88歳の母親と二人暮らし、多分結婚というものに縁が無かったみたいなのだ。
話を聞いてゆくうちに、この4月に勤め先をリストラされて職安通いなのだそうだ。この厳しいご時世
に、この58歳の男が職を探すのは難しい。まあ予想以上に退職金は貰えたとかで、失業保険を貰
うので当面は困らないし、食い延ばせば年金を貰えるまで行けるかなとか言うのである。
まあ、それはいいとして、近い身内は遠くにいる妹さんの一家くらいらしい。それであまり親しくもな
い私に保証人を頼まざるを得なかったのだろう。保護義務者の欄にはこの旦那の署名・捺印がして
あって、記入日が5月6日だ。今日は20日だから2週間もそのままだったのだ。催促されて仕方な
く私の処へ頼みに来たのか、なんとも寂しい話ではある。
母親が亡くなると、この旦那は1人になる。自由な生活が出来るかも知れないが、どう見ても趣味を
持っているとも思えず、酒を飲むか、多分金の掛かる遊び位しかやることがないのではないか。本人
も帰り際に寂しいと漏らしていた。せいぜい毎日働きに行くところがあればと言うのだが、難しい問題
だ。私だって週3日くらいは働きたいと思っているのだが。
('04年5月20日)
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