隠れ家周辺点描
宝達山
宝達山(637m)は能登で一番高い山で、2回ばかり車で登って上の方をぶらついたことがあるが、
歩いて登っていないので「周辺点描」には載せないでいた。その昔、一時期大量の金銀が産出された
ことから名前がついたという。山は火山により形成されたらしい。山頂はアンテナだらけで、遠くから
一目でそれと判る山となっている。晴天の昨日登れば良かったのだが、なかなかうまいこといかない
ものだ。それで今日は雨を覚悟の山歩きとなった。
手速比盗_社 道路右の建物はトイレ その向かいに「こぶしの道」入り口がある
歩いて登る登山口は、押水町の東間(あづま)集落の奥に手速比盗_社があり、そこから「こぶしの
道」が始まっている。これが登山道だ。立派なトイレがある。少し先に駐車スペースがあった。驚いたの
は熊出没注意の看板があったことだ。能登半島には熊はいないと聞いていたからだが、ここは半島に
は入らないのか? この道は地元の自称青年等によって近年に作られたらしいが、昔からの道も利用し
て頂上の奥の院まで行けるようにしたのではないかと推測する。
登り始めはよく踏み込まれた雰囲気のある道だ
歩き出すとすぐに丸木橋を渡り登りにかかるが、これがなかなか雰囲気のある道なのだ。私から見て
の話だが、深く踏み込まれた峠道みたいな処もあって、この部分は山頂にある手速比盗_社への参拝
道だったのではないかと思ったりする。森林整備の方々や、それに地元の小学生は遠足で必ず登る山
に違いない。樹の名前を記した小奇麗な標識が沢山立てられていて、とても丁寧に手入れがされてい
ることが判る。今回立ち寄らなかったが、林道には、どんぐりの森や照葉樹林の森、野鳥の森などの看
板があったので散策するのに良い処なのだろう。勿論、山頂公園には雌池雄池等の散策コースがある。
細い尾根道を覆う倒木 すさまじい風の威力 巨木も根こそぎだった
雨も最初の内は全然気にならず、気分よく登っていたのだが、40分くらい歩いて細い尾根の上を登って
いたらすごい倒木だ。太い樹が根こそぎひっくり返っていたり、束になって横倒しになっていたりとえらい
事になっている。台風23号の風の通り道になったのだろう。今回は私の隠れ家も被害を受けたくらいだ
から、山を吹き抜ける風の威力は凄かったに違いない。
やっとのことでそこを通過したが、このころから傘をさしての歩きとなる。送電線の鉄塔の横を通って行く
と黄色ばかりだが明るく色づいた木々の間を歩くところもあり、一息ついた。だんだん電波塔のある山頂
が近づいてくる。あと2km、1kmとなる頃には汗と雨でずいぶんと濡れてしまった。
「こぶしの道」に従って行くと、頂上へ向かう舗装道路の横の、一段下がったところを平行して歩くのだが、
頂上は2回も行っているので途中で道路へ出ることにした。そしたら、ちょうどあづまやの処へ出たので
そこで休憩して持ってきたアンパンを頬張った。約2時間掛かっての到着だ。「こぶしの道」は、さらに道路
沿いに斜面に付けられていて、奥の院の鳥居の処へ出るのだが、そこまでしなくてもいいのではと思った
りもするのだが。
頂上手前のあづまや こぶしの道は雑草の下側にあり頂上まで続く
「山の龍宮城」という休憩所が広い山頂公園駐車場の入り口にある。、そこの前の案内板で下る林道
を確かめて舗装された5kmの道を東間へ下った。休憩したあづまやを出てからは急に雨がひどくなって
ずっと傘をさしたままだった。1時間10分程で車の処へ着いたが舗装道路は膝に悪いみたいだ。こんな
日に歩く物好きは、やはり私一人だけだったようだ。
あとで聞いた話によると、もともと歩いて登った道は、「こぶしの道」へ入らずに舗装された林道を少し進
むと道が分かれる。真っ直ぐの道と右へ大きくカーブして登ってゆく道だ。両方共に「山の龍宮城」の処へ
出るのだが現在真っ直ぐに進む道は車両通行禁止となっている。 この道が昔は細い道だったそうで、
人が歩いて登る道だったという。だんだんと道が広げられて車が通れるようになってしまったので、有志の
方々がすべてボランティアで何年も掛けて「こぶしの道」を造ったらしい。 地権者の許可を取り付けるなど
いろいろ大変だったということである。
金鉱山は山の反対側とのことで、いまでも小さい水晶などを見つけることが出来るという。熊については
高松の方で出たとかで一応警戒しているのではということだが、この辺りは熊のエサは無いので大丈夫
だと思うとのことだった。第一頂上でがんがんと工事をしているのだから、熊もうるさくて近寄らないだろう。
現在頂上付近は工事中で、作業関係の車が沢山停まっていて一般の車は大駐車場に置く必要がある。