福井の小さな山歩記
飯降山(’00・09・09)
今日は午後用事があるので近場だ。こういう時のためにとって置いた大野の入り口の
飯降山(884.3m)である。砂山トンネルを抜けて最近出来た大きなショッピングセンター
の裏側を通り過ぎたところに登山口がある。
来る途中雨が降ったが、この辺りは曇りで雨が降りそうな模様ははない。登り始めると
すぐにお御堂があって、横に細かい字で山や神社の由来が書かれている。泰澄大師が
麻生津に生まれるところから始まるので長い話しである。越知山で修行したとあった。
あの越知神社のおやじさんを想い出した。
神社跡の石像
登山道はとても歩きやすい。さすが古来信仰の対象となって多くの人々が登ってきた
山だ。水場には寄らなかったが、林道と出会うところの広場で休憩した。少し行くとお地
蔵さんみたいのがある小さい広場にでる。アルミサッシのドアの小屋が建っている。鍵
が掛かっていて中は判らない。
やがて平坦な道へ出ると祠があって、その先の道沿いに二等三角点がある。ここが頂
上なのか。ぴんとこないが、すぐ先に奥の院の祠があって、小さな石が沢山積まれて
いる。そこは芝生の広場で気持ちの良いところである。ゆっくり登って丁度2時間で着い
た。周囲の山々の頂きは雲の中にあったが、その分陽が当たらずすごし易いし、大野
盆地は実った田圃の黄色がすっきりと明るく輝いていた。
奥の院
まだ10時半にもならなかったが、イカクンで缶ビールを飲み始めたら、鈴の音がして、
私の様なおんさんが登ってきたのだ。着くなりガイドブックを広げた。蛍光ペンで登った
山がマークされている。「ここが頂上なのかな」などと呟いている。やっぱりあの道端の
三角点を見過ごして来たのだ。
この文殊山の麓出のおんさんとは話しがはずんで、下山予定の時間をオーバーしてし
まった。このおんさんは、足は強いみたいで、毎年取立山と赤兎山、荒島岳それに白山
は登るそうで、その他に新しいところなど全部で年20回は登ることにしているとのことだ。
昔は法恩寺山も平泉寺から登ったし、取立山も谷峠から、経ケ岳も奥越青少年の家か
ら登ったのに,今はスキー場だ林道だとずいぶんと変わってしまったと云う話しもした。
一人で登るのが気楽でいいとか、山登りは金がかからないからいいとか、最近はコン
ビニがあるので、かみさんに弁当をお願いしなくてもいいしとか、朝一番に登るとクモの
巣が大変だとか、青葉山は行きたいけど遠いなどなど、いろいろと多くの点で意見の一
致をみたのである。
11時半頃お先に失礼して深井峠経由で下る道へ入る。すぐに藪こぎ状態で,だんだん
ひどくなり一時踏み跡から外れて迷ってしまった。藪のトンネルをくぐる様にして行くと急
に藪が切れて深井峠らしい所へ出た。そこからは急な下りなのだが、そこがまた足下が
草に被われていて歩きにくいことこのうえない。2回も尻餅をついてしまった。登りのあの
良い道とは違い,えらく荒れた道である。
1時間で林道へ出て快調に歩いていたら、なんと工事中で通行止めになっている。林道
が10mばかり深く堀取られて無いのだ。あちこち見回して,岩にかじりついて渓流へ降
りて、渓流の向こう側の林道へ渡ったのである。
文殊山のおんさんもここへ下ると云っていたので、その頃何処かでこんなはずではなか
ったがと思いながら歩いていたかもしれない。