還暦つれづれ草

廻る寿司

かみさんがゴルフの賞品で、「廻る寿司」での割引券を貰ってきたので、初めて夫婦で食べに行く
機会があった。最初は昼時だった。とても満足して出てきた。別々に清算して貰い、夫々に割引券
を使ったので、私の支払いは220円しかなくて、なんだか申し訳けなく思ってしまったのだ。

2回目は夕食時で、開店して間もない店だった。ウイークデイだったが満員で、私は初めて待ち席
に座って空くのを待つことになったのだ。慣れないのか店員の鈍い動きが気になっなって、皿の片
付けを手伝いたくなるような気分なのである。こんな時、我が子の小さい時のことなど想いだしたり
して、こういう時こそ我慢が必要だったんだなと反省させられたりするのである。

やがて空き席が出来てお寿司にありつけることになった。しかし待ち席がすぐ傍というのはいただ
けない。常に早く終わらないかなと見つめられているみたいで、食べていても落ち着かないのであ
る。おまけに入り口に一番近いところなので出入りが多くてざわついている。もっとも、いつもゆ
っくり落ち着いて食べられるようでは、この様な形態のお店は儲からないのだろう。

ビールも飲まなかったので、さっさと食べて終わりとした。今回はまとめて支払い、割引券は1枚
しか使わなかったが、それでも2人がお腹一杯に食べて千円にもならない。年寄りは食べる量が
少ないのだろう。私たち二人分程の皿を積み上げている女性も居るのだから。

昔は、子供は寿司屋などへは行くことはなかった様な気がする。今は、この様な回転寿司屋があ
ちこちにあるので、なにかと家族連れで訪れることが多い。割と安くて美味しい。そんな訳で、たま
におじいちゃんに連れられて、普通のお寿司屋さんに入ったりすると「廻っていないお寿司屋さん
がある」と驚きの声を上げたりするのだ。

それにしても、私は何でこうも周囲の事が気になってゆったり出来ないのかなと、つくづく思うのだ。
いつも思うのだが損な性格だ。だから一人歩きがいいのだが、しかし秋も夕暮れ近くなると、なんと
なく侘しくなるのである。

(’01・10・10)


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