金粕山(途中まで)
春一番が吹いた夜、福井は荒れ模様だった。夜が明けて登山口まで車を走らせていると、だんだんと
天候は回復してくるみたいで、予定通り登ることになった。天候はまずまずだったのだが、私にとって
今日は全く良いことが無くて、行き先に暗雲が漂うといった感じなのである。
金粕山(735.7m)は、南条町と池田町の境にあり、今回は「はなはす温泉」の先、中小屋集落を抜け
た所で道は雪でふさがり、その先750m程歩いたところから尾根に取り付いた。2万5千分の1地図に
は山名は無いが、古木(宅良)の左端上の南条町の字の2cmほど斜め右上に頂上がある。
まず、みんなで登る準備を始めたとき、私は登山靴の片方がカミさんの靴を持ってきたことに気が付いた
のだ。朝暗い中で不注意にも並んで置かれた靴を片手で掴んで袋に入れてしまったのだ。仕方なく履い
てみると少しきついが、紐を弛めるとどうやら歩けそうだ。新しいファッションだなどと言われながら歩き出
したのである。
ところが、750mばかりの林道などを歩いているときに、膝がもう疲れている様に感じて不安な気持ちに
なった。尾根の取り付きは急登で、体が馴れてないこともあって初めからきつく皆から遅れたが、それ以
上に脈拍が早くなり胸が苦しくなって樹に寄りかかってしばし休んだのだ。呼吸は整えたが膝の方の疲
れはひどくて、皆と休憩した後の緩やかな尾根上でも辛い。そこから頂上が見えたが、まだだいぶある。
592mのピークへ続く尾根 こんな所でも膝が辛くて諦めた
それで、皆にそのまま先に登って貰い、私は何処かでゆっくりと休憩して食事もして、どうせ下りも遅い
のだから先に降りることにした。私がいては皆も頂上まで着けなくなりそうなのだ。携帯で連絡をとり無線
機を使ってくれるように伝える。随時連絡を取りながらお互い安全を確認しながらと思ったのだが、どうも
向こうの無線機は電源が入らず使えないらしい。それで私はゆっくりと戻り始めた。
間もなく携帯電話で、592mのピークから皆戻るから待っていてくれとのこと。12時までに頂上に着ける
処にいるのだから、そのまま登ればと思ったのだが、皆戻ってきてしまった。私の方はゆっくり降りれば
全然問題はないのだが、1人にしておく訳にもいかないのか。だれか1人を故障者に付けるとかの方法を
とることも考える場合があるかなと、以前他のパーティの方で、ばてて登るのを中止された方に付き添い
をされている人と話をしたのを想い出した。
食事を終えて下山へ
私は登りの行程の半分ほどしか登らなかったのであまりよく判らないが、頂上までのコースは判りやすく
登りやすい山と思われた。茸類は見当たらなかったみたいだ。
少し戻って風除けに雪を積んで皆で食事をして降りることになった。今日の温泉は宅良街道を通ってリト
リート宅良で。こぢんまりとした浴室だったが、気持の良い処。400円なり。
今日の状態では、会の人との山行は無理だし、足を引っ張ることになってしまうので、これからどうするか
考えなければならなくなった。どんどんと体力が落ちているみたいで、一週二回のトレーニングジムでは
追いつかないようだ。やはり1人でボチボチと歩くかカミさんと景色を楽しみながら歩くのがいい様に思う。
('04年2月15日)