北陸の峠道


木地山峠

この木地山峠は、小浜の上根来(かみねごり)から朽木村の木地山へ越える峠で、峠から尾根伝いに
百里ケ岳へも登ることが出来る。また、反対の方に尾根をどんどんと行くと駒ヶ岳へ続いている。

上根来集落の「百里ケ岳登山口・木地山峠コース」の標識のところから山の方へ上がって行く。バラック
の塀を左に迂回していくとデカイ蜂がブンブンと飛び回っていて道際に蜂の巣があり、そこも迂回だ。

 

              沢伝いの道                          尾根のU字型に掘れた道 写真ではイマイチだ

山の中に入ると、道はだいぶ下に沢を見ながら急斜面を引っ掻いたような細い道を暫く歩く。やがて沢と同
じ高さになり、沢伝いに渉ったり渉り返したりしながら標識に案内されて進む。沢から離れると尾根の登り
となる。沢伝いの道もいいが、この尾根をジグザグに上がって行く道は素敵だ。深く掘れた道で所々平行
して道の名残りがあったりして、まさに峠道という風情なのである。それに自然林の疎林で明るく、落ち葉
が道に積もってかさこそと鳴る。こういう道はそう何処にでもあるものではない。

25分ばかり掛けてゆっくりと標高差120mばかりを登ると別の尾根にぶつかる。そこから少し下るのだが
案内の標識がないと難しいところだ。踏み跡が不鮮明でどこでも歩けるような処もある。最後の処で標識を
見ながら間違えてしまった。正直に標識の指す方向へ道無きところへ進んでしまったのだ。素直なのは私
だけではなさそうで、歩いた跡らしいものがついている。どこでも歩きやすいところなので、ぐるっと遠回りを
して峠に着いたのだ。





峠にはお地蔵さんがおられました。木地山へ降りていく道も通れるらしい様子だし、小浜側には峠道らしい
道がくだっている。峠らしい峠だった。百里ケ岳への尾根道はとても歩きやすいよい道が続いていたので少し
歩いてみた。百里が岳へ行こうかとも思ったが、さっきの素敵な峠道をゆっくり降りてみたいのと、この数日
喉が痛くて薬を飲んでいるので無理をしないことにした。このところ毎日8種類の薬を飲んでいるのだ。

お地蔵さんのいる尾根上は風が強く汗が冷えて寒いので、少し下がって風の無いところで食事とした。ひと
りではゆっくりと食事と云っても、バターを塗ってきたブドーパンをかじりながらお茶を飲むだけだから、15分
もあれば終わってしまう。そして薬を飲んだ。

今日はほんとにゆっくり歩いた。ときどきキジの羽音に驚かされたりしながら、登りに2時間、下りに1時間
20分と秋の雰囲気に浸ることが出来たのだった。

('03年11月5日)
2万5千分の1地図 「古屋」 峠の標高は660m位
<足跡>


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