福井の小さな山歩記
北谷町の「池平」
池の平と呼ぶのだろうか、還暦つれづれ草にも書いたが、北谷町谷集落の上の方にあると4月に福井新聞に
掲載された処だ。先日確かめた登り口から8時20分頃登り始める。新聞には1時間くらいとあったのでカミさん
も一緒に行きたいと云うことで二人連れなのだ。山菜を採る時間がたっぷりあるのではないかと期待しているみ
たいだ。
養魚場の方へ曲がって小屋の前 登り口はここです
急な斜面にかかると、もうそこはブナ林だ。私はもう汗をかいていて半袖一枚になり、帽子もやめてバンダナに
する。600m辺りから緩やかな登りとなり、はっきりとした道と云うことではないが、鮮やかなピンクのテープに
導かれて迷うことなく歩くことが出来る。「池平」が地図上の何処にあるのか判らないので、このピンクのテープ
だけが頼りなのだ。
少しは薮っぽい感じのところも歩くが、そうこうしている内に1時間近くなり、そろそろかなと思っているとピンクの
テープが固まって左へ降りて行くように付いている。そして間もなく静かな水面が現れる。蛙らしい鳴き声も1回
聞こえただけの静寂の中に自然のままという雰囲気だった。水面に近づくと足元が弾力性がある。足の廻りに
水が浸みだしてくる。水が少なくなって沼地になっているらしい。
新聞には800m付近とあったが、GPSでは662m(気圧により誤差あり)、地図上では670mくらいの処にある
ことがわかる。歩いた距離はGPSで730mくらいしかなかった。時間が早いのでそこから更に先へ登ってみる事
にして尾根を登った。あわよくばこちら側から「あげはら山」へ道が付いてないかと思ったのだが、30分程で踏み
跡が判らなくなったので、カミさんもいることだし引き返すことにした。
「池平」からの戻りで一度ピンクのテープを見失ってコースを外れたことがあった。やはり下りは迷いやすい。尾根
が広いせいだ。気持の良いブナ林まで戻ったら11時頃になり、朝食が早かったのでここで昼食にした。短い距離
と時間だったが案外汗を沢山かいて、冷たいビールが美味しかった。何やら人の声が聞こえると思っていたらだん
だんと近づいてきて、それが7・8人となって目の前に現れたのだ。
先頭のお兄さんは腰にナタをつけた地元の方で、今日は先生方をお連れしたとのこと。どうやら麓の小学校の先生
方らしい。しんがりのおじさんは、なんと先日この道の登り口を教えて頂いた方だったのだ。早速我々の腰を下ろし
ていた木は「さるすべり」と云って硬いので利用されるのがどうのこうのと説明が始まったのである。みなさんはがや
がやと賑やかに登って行かれた。しんがりのおじさんの説明が多いらしい。なんとも楽しい様子に心が和む。地元の
自然を愛し知って貰おうとする姿勢が伝わってくる。まあ、あんまり沢山の人が押し寄せるのも困るのではあるが。
('03年6月7日)
2万5千分の1地図 「北谷」
「池平」の位置(池のふちに立った処)
北緯 36°07′3.3秒
東経 136°33′54.9秒
(日本測地系)