福井の小さな山歩記
小荒島岳
大野市蕨生の中出集落から林道へ入ります。いわゆる荒島岳登山の中出コースの途中の山だ。車を
置くところには8時前に着いたので十分荒島岳に行けるのだが、今日は小荒島岳が目的なのである。
荒島岳はすでに書いたし、小荒島岳について書くにはここを目的に登らないと印象が薄れてしまう。そ
れに明日朝、埼玉から孫達がやってくるので早く帰って買い物などをしなければならないのだ。
車は5・6台停まっていた。そこから林道を20分ばかり歩くと登山口に着くが、案外と勾配があって私は
すでに汗をかいている。ひんやりとした杉林の中へ入るがじきに抜けて、草の間の細い道を登る。林道
を4回ばかり横切る。繁って登山道を狭くしている雑草を刈りはらっていた方々が5・6人いた。ご苦労様
なことだ。
小荒島岳までまだ40分はあろうと思われる9時半頃、1人下山してきた。荒島岳まで登ってきたという。
なんと云う早さ、いったい何時から登ったのだろうか。
道はずっと登りやすくきつい登りが続いたりはしない。1時間以上登らないと景色は見られないが、やが
て右手に真名川ダムが見えてくる。尾根にのったのかなと思う様になると、ブナなどの林の中の気持の
良い緩い勾配の道となって、短いが峠道の様な雰囲気の処もある。そして急斜面を少し登ると小荒島岳
への標識がある。すぐ上が開けた頂上となっていた。特に山名を示す様なものは何も無かった。
小荒島岳山頂から荒島岳を見る
目の前に荒島岳がデンと構えていた。今日も沢山の人が登っていることだろう。私達の前を歩いていた
犬を連れた年輩のご夫婦も、暫く休んで荒島岳に向かった。頂上からの眺望は良くて、今日は雲が多い
が、それでも白山連峰が見えた。時折陽が射すと温かいが、雲に遮られても風が無くて寒くはない。気
持のいいひとときを過ごせた。缶ビールを1個だけ持ってきたので二人で飲んだ。冷たくて旨い。コンビニ
で仕入れた「おろしそば」も美味かった。あまり疲れ切ってもいないし、気持のよい環境だから何を食べて
も美味しく感じるのだと思う。
11時頃ザックを背負って数歩あるいたとき一組の夫婦が上がって来られた。なんと山の会のお仲間な
のである。荒島岳まで行くらしい。下り始めて間もなく、お爺さんを先頭に5人くらいの方が登ってこられて
すれ違ったが、我々が荒島岳から下りて来たのだと思われたみたいだ。それからも3・4人の方が登って
来た。小荒島止まりの人はあまりいないだろう。
戻る途中、峠道のような雰囲気の処を何枚もデジカメで写したのだが、全然雰囲気を伝えるようなものに
は撮れてない。130万画素ではダメなのか。撮り方も悪いのだろうが。でも今日は満足度の高い山行だ
った。カミさんも同じ思いだった。中出コースはいい道だ。車の処へ戻ったら。岐阜や大阪、尾張小牧など
の車もあった。皆さんこのコースを選んだのは正解だ。このコースは砂袋を積んだり階段を造ったりしてい
ない自然な道なのである。
('03年9月23日)