福井の小さな山歩記


己高山(滋賀県・11月23日)


己高山(こだかみ山)は福井からは、旧北陸街道、現在の365号線を栃ノ木峠、椿坂峠を越えて木之本町へ。
そして、少し古橋の集落へ入ると己高閣や己高庵があり、その庵の下の道沿いに駐車して林道へ歩き出す。

この周辺一帯(湖北地方)は早くから仏教文化が栄え、この山もいにしえより修行場で、山上の鶏足寺にから
んで行基とか泰澄、伝教大師とかの名前がでてくる。以来千何百年沢山の人々が登り続けてきたのであろう。



そのため登山道はU字型に窪んで古い峠道そのものだ。牛や馬で荷物も運んだので牛止めの岩や馬止めの岩
がある。なかなかの登りだが六地蔵までだ。真ん中は観音様か。寺の跡なのか、広くて休憩するのに良い処だ。
4・5人のおじさんおばさんが休んでいた。追い抜いて行くと今度は6人連れのおばさんの一行がいた。頂上には
4人連れのおばさん達がもう立ち上がるところだった。なんとおばさんの多い山なのだ。922.6mと手頃で近い、
それに歴史が感じられるいい山だからなのだろう。



話が前後するが、頂上手前の鶏足寺跡はとても広くて庭の跡の様な岩などもあり、ここに古びた寺などがあった
らもっと素晴らしいのになと思う。頂上は狭いしぱっとしないのでここでゆっくりと食事をするのもいいだろう。その
せいでもないだろうが、多くの方々が同じ道を下るのだ。頂上に居た4人連れのおばさん方も何かのコピーを持っ
ていたが、どうやらそこには、石道寺へ降りる道は素人さんには注意が必要とか書いてあるらしかった。



頂上にある岩 向かい数メートルに三角点がある

私とかみさんは、例の熱燗カップ酒を一本づつ飲みながら簡単な食事を済ませて、石道寺へ向けて下山とする。
登りも下りも全山紅葉と落ち葉の道で、石道寺まではちょっと長く感じられるが、ゆっくり歩ける素敵な道だった。
どっちみちたいした時間ではないので、下りは石道寺のコースを使うべきだと思う。

石道寺へ着いて驚いたのだが混雑しているのである。飯福寺や石道寺が有名な観光地とは知らなかったから
観光バスでやってくるし駐車場が不足して大変な状況には面食らってしまった。朝来たときは静かな田舎だった
のだが。

<己高山の足跡>


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