還暦つれづれ


アルバイト


情報処理技術者試験という国家試験がある。毎年2回4月と10月に行われるのであるが、
その試験監督員を頼まれて、もう5年くらいはやってきた。でも、春秋の山歩きをするのには
絶好の日曜日が潰れるし、時には土曜日も準備に駆り出されるので、いくらアルバイト代の
小遣いが入るからといって、そろそろお役ご免にして貰いたくなってきた。それに、この試験
の日は、この5年間雨に降られた記憶がないという特異日なのである。

ところで、この試験を行うのは、通産省指定試験機関 (財)日本情報処理開発協会 情報
処理技術者試験センター○○支部というところで、そこが各県の情報産業の業界団体など
に実際の試験を委託して行う。こんなことはどうでもいいのだが、この(財)○○協会につい
てはよく知らないが、試験センターのお偉いさんは、 お役人さんの天下り先というか指定席
というのか、そんな感じを受けるのである。 国家試験は沢山ある。とすると、 お役人さんの
最後のご奉公先も沢山あるのかなと思ったりするのだ。

一年中年2回の試験のための仕事をしていると云う訳だ。全国で28万人もの人が試験を受
けるのだから、いろいろと大変だろうと思われる。
年に一回くらい視察に来て、こちらの担当者の人達をねぎらって御馳走してくれる時もあれば
カニを食べに来ただけみたいな時もある。 でもまあ、 たまにはそういう事もなければやる気も
出てこないのかもしれない。そんなに面白い仕事だとも思えないし。

今回我々は、土曜日に試験会場の準備をし、試験当日の日曜日は朝7時から夕方6時近く
まで居なければならず、途中ひまな時間はあるが60才を過ぎると疲れるのだ。最後は受験
者が残した膨大なゴミ、ジュースの空き缶や空のペットボトルの山を片付けて終わりとなる。

それで、疲れきって夜一杯飲みにいって、アルバイト収入の大半を使ってしまうのでは何を
しているのかわからない。金は使う時はあっと云う間なのだ。

(’00・10・15)


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