北陸の峠道
駒ケ越(河内越)
久しぶりの峠道歩き、今日を含めて三日で廃車となる愛車も、さすがにゴトゴトと音がひどい。それにスピードを
出してハンドルを切ったりすると変な横ブレがする。2時間少しで朽木村木地山地区に到着。峠道への入り口を
確認するのに手間取り、9時に歩き出した。
この峠道は、熊川宿から河内を経て駒ヶ岳の肩を越えて朽木村中小屋に至る。福井県側は公園も整備されて
歩きやすいそうだが、こちらから登ると往復しなければならない。朽木村の方は古い峠道が残っていてぐるっと
回れるみたいなので、こちらを歩くことにしたのである。カミさんもついてくることになった。
麻生川にかかる「ろくろ橋」 ここから川沿いに道が始まる
木地山集会所手前数百メートルのろくろ橋際から麻生川沿いに道が始まる。すぐに焼尾谷沿いに入り、やがて
東谷沿いになる。沢の左側を忠実に辿る。苔むした岩々がなかなか良い雰囲気で気分よく歩ける。だんだんと
沢の水量が少なくなり、植生が杉林から変わったなと思ったところで休憩、ちょうど一時間経った。
この様な沢伝いに歩きます
その辺から今まで目に付かなかった赤いテープが急に現れだした。それを頼りに進むと谷がいくつも分かれだし
て、赤いテープが無いと難しい。今日は頼りのgpsが谷の関係か、信号が弱いと云う表示のままで正しい位置を
示してくれない。途中までは2万5千図の山道上に居ることを確認したが、あとは赤いテープ任せで沢を登った。
水がちょろちょろとなった沢を登るのだが、それがとても急でしんどい。やがてその水も無くなって急斜面を這い上
がる。掴まる灌木などが少ないのでとても苦労した。峠道がこんなにすごいはずがないとおもっていたが、やはり
違っていたのだ。素敵なブナとみずならの稜線に出たのだが、峠道が上がってくる処はだいぶ先だった。赤いテ
−プの人達も本来の峠道を行くのが難しくて、このコースを登ったのかも知れない。
この様な稜線が続きます
素敵な稜線を駒ヶ岳へと向かう。地図上の峠と思われる辺りを眺めまわしても痕跡らしきものも見つけることは
出来なかった。福井県側への降り口を通り駒ケ岳へ。もっとも、この福井県側から登ってくる処も峠と云うべき
ところなのであるが。昔はどうだったのだろう。ちょうど12時頂上着でカミさんとビールで乾杯する。カミさんは
頂上から「さいたま」の息子の家に電話して孫と話しをしていた。頂上は福井県側が少し切り開かれていた。
駒ヶ岳山頂
戻りは素敵な稜線歩きを楽しんで、途中池のそばを通り744mのピークから下りに入る。池までの稜線はほんと
に中高年向きの良いところだなと思いましたが、744mから605.4mの池原山を通って岩谷口バス停近くへ降
りる尾根道が急だった。普通はこちらから登って駒ケ岳を通り越して696mのピーク辺りから林道を降りるらしい。
さて、我々は池原山辺りまで降りてきて、ここで方向を間違えてしまい辛い登り返しをしたのだ。やがて細い山道
を見つけたのだが、赤いテープが古くなっていくつも落ちていた。登る時は間違えないが下りは注意が必要だ。
バス停へやっとのこと降り着いたらちょうど4時になってしまった。そこから県道をあるいて30分、出発点へ戻ること
が出来た。長丁場になってしまったが、雰囲気のいい沢沿いと稜線を歩けて満足した一日だった。天気の良い土曜
日なのに我々夫婦だけで、こんなに良いところなのに勿体ないなと話をしていたが、その方がよいのかも知れない。
('03年6月21日)