北陸の峠道


高倉峠

高倉峠は、岐阜県藤橋村(旧徳山村)と福井県今庄町瀬戸を結んでいる。今は立派な道路が芋ケ平経由で造られて
いる。旧峠道は今庄町の小倉谷集落からか、伊藤氏庭園のところから高倉谷の林道へ入り、沢が合流するところ辺り
より尾根に取り付くようになっているようだ。藤橋村側の旧道は不明だ。

この峠は、昔、福井側から旧徳山村へ塩や米を運んだり、また木地師もこの辺りで仕事をしていたので利用したりと多く
の往来があったと思われる。峠の標高は955mほど(gpsで)、高倉谷の登り口は325m(gpsで)だったから標高差は
630mもある。なかなか急な道で、米などを担ぎ上げるのは大変だったのだろう。



高倉峠を見下ろす 南側のピークから

以前、高倉谷の登り口は判らない様なことを聞いたので、今日は峠から道を探してみようと芋ケ平から藤倉谷沿いの林
道を上がった。峠までの距離の半分弱の地点から舗装がしてあり問題なく峠に到着。見晴らしが良く広い。2万5千分の
1地図を見ると、道は現在の峠の南側のピークの頂上から始まっている。それで、その笹藪の斜面を笹に掴まりながら登
ったのだが、道らしいものは無かった。ついでに県境の稜線は歩けるのかなと試みたがすごい笹藪で、薮の低いところに
は踏み跡も見られたが、とてもじゃないので稜線歩きは難しい。残雪のときに付けたのか、灌木に赤いテープが付けられ
ていた。

 

   この笹の下に道がある                               街路樹の様な木立の中の峠道

 あきらめてピークを降りて少しうろついていたら、下る尾根が峠への最終カーブの処から始まっているのに気が付いたのだ。
そこで、尾根を覗き込むと、笹の葉っぱに隠れてやはり道があった。 さっそく笹をかき分けながら尾根へ足を踏み入れる。
笹が帯のように樹木の間を下へ流れていて、この下に道のあることを教えている。なかなかの急坂で始まった。しばらく下
っていくと、尾根が少し広いところでは平行して峠道みたいなのがあったり、この真っ直ぐに下る道を斜めに横切るように道
があったりする。そういった道も歩いてみた。判りにくくなると、また元の忠実に尾根のピークを辿る道へもどった。この道に
は間隔を置いて赤い杭が打たれている。

この峠道の3分の1くらいは降りただろうか、だいたいの雰囲気は判ったし道が更に急になった。あまり降りると登り返すの
が大変なので引き返すことにする。今日は昨日に引き続いて気温が高いみたいなので、午前中には歩くのを止めにしたい
と思ったのだ。40分ほど登り返すのにかかった。私の場合、今日はもう十分に汗をかいたのだ。早く冷たいビールを飲みた
い。

 

この滝の前で休憩した                      高倉谷の峠道への取り付き地点 左手へ登って行く

車で下って、ちょうど舗装が切れる手前に滝がある。その前に車を停められる広場があるので、そこで昼食とした。冷たい
ビールがうまい。そこでだいぶゆっくりと過ごしてから高倉谷の林道へ向かう。地図上の峠道の起点に行ってみたいのだ。
そこの尾根への取り付き箇所を見て、私の今までの経験から、ここから尾根に取り付いて、峠まで行けたかなと思ったの
だが、それも今は、上にはハッキリとした道があると判っているからそう思えるのだろう。



('03年8月20日)


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