北陸の峠道

熊河峠

熊河峠(くまのこ峠)は、池田町から水海川に沿って県道175号線を走り、山にぶつかって行き
止まりになる少し手前を左に入ると聞いていた。昔はこの峠を熊河(国道157号線沿い)へ越え、
それから温見峠を越えて美濃へ通じた。いろいろと交易が行われたのであろう。鯖江誠照寺のお
坊さんもこの峠を使って美濃をまわったそうである。

今日の結論から言うと、地図を十分に検討して見ていれば判ったのだろうが、峠まであと数十メー
トルのところまで行き、峠から数十メートル横の稜線を峠と勘違いした可能性が大なのである。GP
Sも稜線上にあり峠辺りを示していた。反対側は藪が無ければ見晴らしの良い処だったし、稜線を
右に行くとすぐに登りだ。でもお地蔵さんはなかったし、峠らしい道とは言いにくいすごい笹藪の道だ
ったのだ。

そもそも県道から峠道へ入るところが見つからず、地図から云うとどうしてもコンクリの堰堤の処から
ということになる。意を決して堰堤の右の尾根を登ることにする。灌木の枝がうっとうしく、かすかな踏
み跡みたいなものが有るような無いような尾根だ。



この堰堤右側の尾根に取り付き登った

もともと距離は短いのでゆっくりと、時には全く灌木に阻まれたりして登ると突然窪んだ峠道のような
ところへ出た。そこで地図の道とは違っていると気が付いたが、このまま行くと峠はもうすぐの場所だ
った。地図の道もそちらへ向かっている。そこにグリーンの傘を帰りのために拡げてぶら下げておいた。



帰りの為の目印の傘 尾根への入り口だ 目につきやすかった

そこで先に書いた峠と思われた稜線に着いたのである。背よりも高い笹藪の中なのでどうにもならず
すぐに引き返すことにする。そこでグリーンの傘と方向が少し違って、何か深く掘られた道の様な処へ
降りたのである。降りる途中なので上に向かうことを考えず、その道みたいなものを下へ向かうと、す
ぐに小石混じりのじくじくとした沢のような状態となり、これはあかんと引き返しグリーンの傘を目指し
た。グリーンの傘はすぐ近くにあった。

そこで良く地図を見て考えれば気が付いたかも知れないのだが、地図にある峠へ向かう道は沢伝い
と云うか谷間に付いている。だから先程の深く掘られた道は峠道だったのではないか。あれをほんの
少し登れば峠だったのではないか。きっとそこにはお地蔵さんが居たのだと思われるのである。



真ん中 青っぽいのは稜線上に置いたザック 峠と思った処だ

残念だけど尾根を登ると自然と今日のルートを辿って稜線に出てしまう。県道から堰堤を越えて谷間
を歩くなど想像もつかないのだ。でも、今日はその辺の様子が判った。稜線を右に登れば「岳の谷山」
だし、左へ行けば「桐ケ平山」に行ける。また何時の日にか登るかも知れない。

(6月29日)

2万5千分の1地図 「宝慶寺」 
県道175号線を部子山に登る林道の入り口を通り越して、そこから5kmの処で二股に分かれる。
そこは車が何台も停められるので、そこに駐車して右手の道を歩くと約1km強で左に堰堤がある。
道はこの先間もなく行き止まりになる。車高の高い四駆なら問題なく行ける。峠は標高1015m位だ
県道から峠付近までは1時間も掛からない。


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