福井の小さな山歩記


夫婦池(越戸谷山)


5月15日の福井新聞に、「幻の夫婦池で村おこし」と云う記事が、悲恋伝説とともに大きく報じられた
ので、さぞかし直後は訪れる人が多かったに違いない。半月過ぎたので、そろそろ行ってみるかという
ことに。

中竜鉱山の方へ曲がるのは35・6年振りくらいだ。国鉄大野駅からバスに乗り換えて中竜鉱山の購買
所へ、仕事が終わる頃は帰りのバスが無いので鉱山のトラックの助手席へ乗せて貰い大野へ出たのだ
った。スバル360で行ったこともあった。その頃は鉱山で働く従業員の家族も居て賑わっていたのだ。

今日は、鉱山跡よりずっと手前の下大納から左手の林道に入る。舗装が切れて少し行くと左へ登る林
道があり橋がある。ロープが張られていたのでそのまま通り過ぎてしまい、えらい道草を食ってしまった。

 

         登山口へ向かう林道入り口                   林道からの登り口 赤いリボンが下がっていた

8時45分、ロープの手前に車を置いて林道を歩き出す。少し歩いたら、整備されたらしく広く平坦な快適
な道になった。30分程で尾根を林道が横切る様な感じの処に、予想してた通りに尾根に取り付くところ
があった。9時15分尾根に取り付く、真っ直ぐに急登が続く。杉の林を抜けるとブナの尾根歩きとなる。
しかし、急登は相変わらずで、堪らず30分歩いて休憩。



登りきったところ 越戸谷山頂上付近

上の方になると、道は最近刈り払われたような様子となり、登りきった様な感じがしたところが越戸谷山
の山頂付近だった。山頂はだいぶ広い様子で、道のところでGPSの高度計は1150mを示していた。
その位置は地図上では一番上の等高線の中にあり、今日は晴天なのでだいたい正しいのではないか
と思う。地図には1151mと記載されている。

少し下り気味に平坦な道を行くと、斜面の腹を横に歩いて降りて行くようになる。道というより文字通り踏
み跡を辿る感じで池まで降りる。尾根に取り付いてから休憩を入れて1時間50分位、車からだと林道歩
きの30分がプラスされて2時間20分位となる。



夫婦池

池の周囲に道らしいものがないので、移動するのも楽ではない。南側が広くてゆっくり出来た。鳥のさえ
ずりと蛙の鳴き声、うるさくはないが静まりかえったということでもない。今はまだ緑が綺麗だ。チーズで
缶ビールを飲んだが、小さい蝿みたいなやつがうるさく顔にまとわりつくので、ゆっくり雰囲気を味わうと
いう訳にもいかない。竹松とお妙がここで最後の逢瀬をもったときは、きっと夏ではなかったに違いない。

(6月1日)
<夫婦池への足跡>


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