福井の小さな山歩記
三国岳(峠)から永谷山(シンコボ)
5月3日(土)憲法記念日、天気がいいのでカミさんと若丹国境を歩いて見ようと、朝5時半に
家を出発、滋賀県朽木村生杉を目指す。今日の予定は、「ブナ原生林」と呼ばれる三国岳(峠)
の登山口のある処に車を置き、30分程戻って若走路登山口からクチクボ峠(鍋窪峠)へ登る。
そして三国岳(峠)→野田畑峠→永谷山→野田畑峠→野田畑谷→地蔵峠→「ブナ原生林」と
歩き回って来ようという計画だ。
あづまやとトイレのある「ブナ原生林」の処で朝食を摂り、8時40分に若走路登山口目指して
舗装された林道を戻るように歩き出す。歩くこと30分登山口。
三国岳(峠)若走路登山口 クチクボ峠(鍋窪峠)
若走路谷を緩く登っていく峠道らしい雰囲気のある道を40分程、沢も無くなると思うとクチクボ峠
に辿り着く。風化した石の地蔵みたいなものと窪んだ道が昔と変わらない風景を見せてくれてい
る。福井県側の道はすぐに無くなっているとのことである。
峠の石仏?
そこから左に尾根を登ると、30分ほどで三国岳(峠)へ着く。今回、昭文社の山と高原地図No.46
「京都北山」\800.-を購入して参考にしたが、すべて三国峠となっており、頂上の小さな板切れにも
三国峠とあり三国岳という云い方は出てこない。すぐ右下にもう一つ三国岳があるためか。福井県・
滋賀県・京都府の府県境で見晴らしはいいはずだが、少し灌木が邪魔をしている。
三国岳(峠)頂上
野田畑峠への稜線歩きは広い小山を越える感じで始まり赤い布を頼りに歩くが、一部県境の稜線から
外れているところもある。でも下草のない歩きやすいところで、目印に従えば迷うこともない。最近は名
田庄村の永谷から登る登山道として整備されて、肝心な処には案内の標識が建てられている。
少し判りにくい峠を過ぎ767mのピークを越えると尾根歩きらしくなり、若緑のトンネルの下を快適に歩く
ことになる。810mのピークから尾根を下ると一度尾根を外れるのだが、これこそ印しが無いと判らない。
三国峠から1時間40分ほどで野田畑峠に着いた。今年3月に登った時とはがらりと変わった風景がある。
野田畑峠 こうして見ると峠らしくないところだ
11時45分着、ビールで乾杯、食事とする。時間がありそうなので、20分位で切り上げて永谷山を往復す
ることに。すぐに細い尾根に取り付くが野田畑の谷は広くて、シートを拡げてくつろいでいる人などを見下ろ
しながらの歩きだ。勿論新緑の明るいトンネルの下、そよ風に吹かれながらの気持ち良い尾根歩き、福井
県側は急で高度を感じるが、左手のすぐ下は広い谷で沢が蛇行していて、そこを歩いても来られるし、その
方が楽かも知れない。
永谷山(シンコボ)山頂 だだっぴろい処だ
永谷山(しんこぼ)811.4m)は野田畑峠から45分位かかった。広場の様なところに三角点がある。
ここは稜線から10分位福井県側に入った処にある、れっきとした福井の小さな山なのである。ここで
6・7人のパーティーと出会った。やはり中高年と云った感じの方々だった。
野田畑峠に戻るとき、谷を歩いてみようと一度は降りたのだが、尾根の涼しいそよ風がいいので、また
すぐに尾根に登る。三国峠から永谷山までの若丹国境稜線が、こんなに良い道だとは予想していなか
ったので、カミさんも最初は薮漕ぎがあるのではと渋っていたのだが、こしあぶらもあったし満足した様子
ただし、こしあぶらのほとんどは立派に成長して手の届かない大きな樹ではあったのだが。
野田畑峠〜永谷山間の快適な尾根道
野田畑峠から谷を下る。下ると云っても高低差が小さいので平地を歩く様なもので、沢を伝いながら
杉尾峠からの道へぶつかるだろうと思って歩いた。今日は地図を一回も見ていなくて、上谷へ出た処
で少し方向を間違えた。それまでの道の無いところから道のあるところへ出るのに遠回りをしてしまっ
たのだ。ご愛敬といったところだ。
野田畑谷の沢、この沢伝いに歩く
最近は入山する人が多くて、バスのツアーもあるとか。それで綱が張ってあって短いが木道になって
いる処もあった。京大演習林は京都大学が地元から借り受けているものだそうで、その期限が来たら
地元が観光地化すると云う話もあるとか、ほんとかどうかは判らないが先行きが心配になる。
やがて道が林道みたいに幅広くなるところで、よく上下にしなる厚い板の橋を渡り、神社の前を通って
三国峠と地蔵峠の分岐点へ。地蔵峠から長い林道を下って「ブナ原生林」の駐車した処へ戻った。
地蔵峠の石仏
何処を向いても新緑に輝く山々、水面に緑を写して緩やかに流れる沢、そしていくつもの峠、今日は
満足が凝縮された様な一日だった。福井からは少し遠いのが難ではあるが、全体的に高度差が少な
いので11km、7時間ばかり掛かったわりには、脚への負担も少ないようだった。
「ブナ原生林」の入り口には4時15分位前に戻ったが、車でごった返しているのには驚かされた。な
んとこれから登る方々が大きな荷物を下ろしているのである。団体さんが何処かで幕営されるようだ。
私もそのうちに幕営地を教えて貰ってテントを張ってみたいと思ったのだ。
<今日の足跡>
('03年5月3日)