福井の小さな山歩記


夜叉ケ池から三国岳

三国岳というのは沢山あるが、この三国岳(1209m)は夜叉ケ池から稜線を右に行った処にある山だ。
左に行けばガイドブックにある三周ケ岳なのだが、ガイドブックに載ってないとすごくマイナーな山という
感じなのである。三国岳は岐阜県坂内村、滋賀県余呉町、福井県今庄町にまたがるのでこの様な名前
が付いたらしいが、この三国岳は近畿百山に数えられていると云うし、山行レポートなどを見てもどうも福
井県の山と云う感じはしない。

私は3年前の丁度この時期に夜叉ケ池までは登っているのだが、カミさんも福井にいて夜叉ケ池にも登って
いないのでは恥ずかしいのではと、今回カミさんと夜叉ケ池に登り、マイナーな三国岳に足を延ばすことに
したのである。

8時頃夜叉ケ池登山口から歩き始めたが、駐車場には我々で5台目だ。ゆっくりと登った。この登山道は
紅葉には早いけど、どの季節に登っても落ち着ける感じがする。中高年の方々がゆっくり登るのに適して
いる様に思われるのだ。



夜叉ケ池と三周ケ岳 ぽこっと高い山

1時間40分で夜叉ケ池に到着。まだ9時半を廻ったところで、今頃池に到着した方々はすぐに三周ケ岳に
向かう。私達はバナナを食べたりして休憩した後、岩の急な処を登って夜叉ケ池山(1212m)へ。この途
中から池を見下ろすのがいい。それに三周ケ岳に向かっている人達が眺められるのだ。この山までは夜叉
ケ池で終わる家族連れや中高年の方々皆さんが登られるのだ。少し高山気分が味わえるのかも知れない。

すぐ先に望まれるのは夜叉姫ケ岳(1206m)だ。頂上の樹にそう記した木片が取り付けてあったので名前
を知ったのだが、夜叉ケ池山から20分、少し下って少し登る。ただ通過するという感じではある。それからは
ずっと笹藪の中の道が多い緩い下りで、所々で向かっている三国岳と思われる山が望まれる。背の高い笹
に覆われている処もあるが、道はしっかりとあるし一本道で全く安心な道なのである。

 

       三国岳山頂 ただ低い笹が生えているだけ                  カミさんの勇姿 頂上にて

緩い下りが終わると今度は緩い登りになり、笹の道の先が明るくなったと思うと木々が刈り払われた広い処
に出る。目の前に構築物のある山があるし、あれなのかなと思ったりしてGPSで位置を確認したら、今居る
処が三国岳(1209m)だったのである。三角点もないし三国岳という標識もない寂しいところだった。夜叉姫
ケ岳から45分で単調と云えば単調だが、その代わり誰にも邪魔されない静かな山頂での時間を過ごすこと
が出来るのである。ラーメンを食べたりして最後はドリップコーヒーでしめる。

展望は山また山の滋賀県側が望まれ、随分と山奥に来ているのだなということを感じさせてくれる。双眼鏡
で見ると、三周ケ岳に登っている人達が夜叉ケ池近くの登山道から頂上付近に居る人達まで見えて、あち
らはたいそう混雑している模様なのである。何も知らずに付いてきたカミさんも、次ぎはあちらに登りたいと云
うのである。もしかしたらという薮漕ぎがなかっただけでも今日は良かったと思わなければならないと私は思
ったのであるが...。

(10月12日)
<足跡>

* * * * * * * * * *
頂上で休んでいるとき、近くから5・6羽の鳥が飛び立った。それを見て二人は歓声を上げてしまったのだ。
羽をひろげたとき、何色ものとてもカラフルに彩られた綺麗な鳥なのだ。勿論初めて見る鳥だ。山で鳥を見る
ことはあっても林の中で見え隠れで、はっきりと羽をひろげて飛んで行くところはめったに見ることはない。
さっそく忘れないうちに図書館で図鑑をひもといて見なければなるまい。


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