福井の小さな山歩記


京都北山・皆子山

皆子山(971.5m)は、京都府で一番高い山だそうである。安曇川沿いに鯖街道を葛川坂下町へ向かう。
最初の坂下トンネルを抜けてすぐ右へ降りると、足尾谷があり橋もあって林道が谷の奥へと向かっている。
車を橋のそばに置いて落ち葉の林道を歩き出した。今日はカミさんと二人連れなのだ。


最初の徒渉箇所 この丸太は元は左のロープを掴んで渡るところにあったのだろう

このコースは京都の一般的登山コースとしては渓谷美を誇っている谷と云われるだけあって、雰囲気はいい
のだが、谷は狭いので道は谷から離れず、当然歩きにくい。最初の徒渉からして危なっかしい。下ばかり見
ていてなかなか渓谷美を堪能すると云う訳にもいかない。その徒渉が数え切れないと思う程ある。 実際は
10回位かもしれないが、何しろあくまで谷を進むのだ。


この橋も危なっかしい

足尾谷からツボクリ谷へと入る。この文は1週間近く経ってから書いているので、もう記憶があいまいになって
いる。ツボクリ谷には滝があって、そこの右の岩をロープに掴まって登ったりする。 それからトチの大木があっ
たと記憶している。そこで2回目の休息をとった。


左手の岩壁をロープにしがみついて登る

そこから50分で皆子山と書いてあったと思う。しばらく進んで左へ細い沢を登り、沢が無くなりかけたところで
急な笹の中を登って頂上へ。この登りは私にとってはだいぶ辛かったが、カミさんはなんでもなかったというの
だ。登り始めて2時間45分位で到着だった。


頂上はこんな処です

山頂は眺望はほとんど無く、おまけに曇天だから何も見えない。11時半頃だったので、二人三人と登って来
て10人くらいになった。皆さんガスバーナーでラーメンを作ったりしているが、我々夫婦はコンビニの稲荷寿司
などであっと云う間に昼食は終わりだ。下道を走って遠くまで帰らなければならないので、なんて言い訳みた
いなことを考えながら、短い時間で頂上をあとにしたのである。

まだ頂上の域を出ない笹の間の道には、そちこちに鹿の糞がまとまって落ちている。特徴のある粒々な糞だ。
カミさんは鹿は便秘がちなのかと云う。兎の糞をよく例えにだすが、兎だって別に便秘がちではないだろうに。


急に水量の多い百井川(安曇川の源流)へ出た。今日最後の徒渉で林道へ上がる

帰りは寺谷を降りた。沢になる前が杉林の中のひどい急坂だった。沢の中も歩きにくい。京都の方の山は沢沿
いのルートが多く、似たような風景だ。頂上から皆子谷の方へ下ると、途中から寺谷へ出られる巻き道があった
ようだ。1時間10分くらいで、水量の多い川へでた。ここが寺谷出合いで、木の橋を渡れば平坦な林道で、あと
は林道・国道を1時間近く歩いて車へ戻るだけだ。反対周りに登って降りる人とまたお会いすることになる。

どうも我々は先へ進むことばかり考えているが、ときには渓谷の中でゆっくりと時を過ごすことがあってもいいの
ではないかなと思ったりした秋の足尾谷・ツボクリ谷の景色だった。

('04年11月7日)
<2万5千分の1地図 「花脊」>
<参考 山と渓谷社「京都北山」 昭文社「山と高原地図・京都北山」>

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道を造る場所がないので岩伝いに歩きます


トチの樹 写真に入らない もっとずっと大きいのだ