福井の小さな山歩記
みつまた山(’00・10・21)
この山は昨年の11月頃だったか、福井山歩会の方々が登山道を整備されているところを
テレビで放映したのをたまたま見た。それで、どんなところかなと常々思っていたのである。
登山口の標識
勝山市北郷町から岩屋観音へ、そこから林道を少し登ると右手に立派な登山口の案内が
ある。 頂上までNO.1からNO.11の札がぶら下がっているとのこと。
NO.1は、ロープ
を伝って尾根に出た所だった。そして、この尾根はNO.5くらいまでずーっと急な登りで、こ
の札の間隔は、私の足で15分くらいだったから、1時間は急登を覚悟する必要がある。
でも、NO.1から頂上まで落ち葉の積もった歩きやすい道で、とても気持ちよく歩けたのだ。
頂上近くでは紅葉した灌木の間を歩くのだが、
陽が射すとぱーっと明るく華やぐのがいい。
紅葉自体はいまいちだが、控えめというかハデさがないところも、それはそれでいいのであ
る。
「一間田尾」と呼ばれる小さな池を過ぎてしばらくすると、伊知地山(811.8m)頂上が道
から数m横に入った所にあると思ったのだが、ぼけっと歩いていたのかどちらが先だったの
か記憶が定かでない。 みつまた山は、等高線を見ると1060mの中にあるので、伊知地山
から250mばかり登るのだが、急に感じるような登りもなく登り始めてから2時間35分かか
って頂上に着いた。
みつまた山 山頂
頂上からは、すぐ北の1062.9mの峰へ向かう道と、大日避難小屋から来る稜線へ行く
らしい道と今来た道の三つが出ている。三つの尾根の分岐点なのでみつまた山と云った
のかも知れない。「福井の山150」では、1062.9mの山をみつまた山としているのだが
今居る所の方が名前に相応しい気がする。
着いた時は、目の前の山の紅葉も、勝山市街も見えたのだが、すぐにガスがやって来て
何も見えなくなってしまった。例によって缶ビールを飲み、バナナと久しぶりの「特選つぶ
アンパン」を食べたのである。しかし、そうやってゆっくりしていてもガスは晴れる様子もな
く、涼しくなってきたので、飲み食いが終わったら下山とした。
みつまた山は良く整備された道のおかげで、秋の山歩きを満喫できた。土曜日だと云う
のに私ひとりだけだった。みんな紅葉の綺麗なところへ出掛けるのかもしれない。でも、
この寂しいような静けさ、色づいて落ちた枯れ葉を踏みしめてゆっくり歩くのがたまらなく
いいのである。