福井の小さな山歩記


持篭谷山(モッカ谷山)

久しぶりに、そして今年初めての1人での山歩きである。天気は快晴。体力が無い私が1人で雪山を
歩く時は、まずは晴れていてくれないと難しい。それに危ない所が無くルートも判りやすくなければなら
ない。おまけになるべく登ったことがない山となかなか条件が難しいのだ。このモッカ谷山(1120.1m)
はそれらの条件を満たしている数少ない山なのである。

真名川ダムの堰堤の際に車を停め、8時20分頃堰堤を渡るべく歩き出す。堰堤を渡り、道がぐるっと
カーブしてすぐに左斜面に山道が見える。そこから尾根に取り付く。少し登ると急斜面をジグザグに細い
山道が登っていくのだが、中途半端な雪でカンジキの足元が不安定で、やっとのこと広い尾根に載った
時は歩きだして1時間近くも経ってしまった。



樹木の多い少ないはあるが ずっとこの様な感じの中を歩く

それからは広い尾根が緩やかに登って行く。ぶなと楢?かの疎林で歩きやすい。固い凍ったような雪の
上に10センチくらい新雪が積もっていて、カンジキも少ししか沈まず最初の内は楽だった。登りの後には
平らなところにでる。また登りとなり平らなところにでる。3回目の登りはだいぶきつく、カンジキが滑るの
だ。下が凍っているためらしい。最後は頂上への登りとなるが、この辺りは雪が深いところもありパウダー
スノーだ。

 

昼食を摂った処 頂上から少し下った処 左に見えるのは荒島岳                山頂は一段と小高くなっている         

樹々も少なくなり抜群の景色が拡がっている。すぐ側に真っ白な荒島岳、そして白山、経が岳などなど。
素晴らしいのひとことにつきるのだが、頂上への最後の2・30mの登りに手こずってしまった。急な氷の
山に登る感じでカンジキが滑って登れない。カンジキを斜面に横向きにして少しづつ登ったが、それも難し
くなって立ち往生してしまう。そこでストックの先の雪面用の輪を外して、雪面に強く突き刺して掴まって
やっとのこと登ることが出来た。



モッカ谷山山頂 左に伸びている尾根の先の山は1209mです
近いので時間に余裕があれば行けます。

計ったようにちょうど12時だった。大野の街が眼下に広がっていて、市議選最終日の宣伝カーの声が風
に乗って聞こえていた。360度の展望で最高の気分なのだが、写真を撮り、カミさんに無事到着の電話
をして食事は少し降りたところで摂ることにした。吹きさらしで少し寒いのと、この2・30mを無事に降りて
からにゆっくりしたかったのだ。案の定滑ってしまい上向きになって止まらないかとヒヤリとしたが、滑って
も太い立木にぶち当たるような向きに降りたので無事だった。

最初の尾根への取り付きで時間をとられたせいもあり、休憩も多かったので登りに3時間40分も掛かって
しまった。コースは広い尾根を真っ直ぐに登るだけで、特に気をつけないと迷うというような処はない。下り
は休まず一気に降りたので1時間40分くらいだった。今日は私以外に誰も登ってこなかった。

持篭谷山の頂上は、これが頂上だと云う感じの素敵なところだったし、十分に雪の尾根歩きを堪能した
1日だった。時間が掛かったけどマイペースで歩けたのが良かったなと思っている。

(03年2月15日)

追記

このホームページをご覧になられて素敵な詩をお詠みになられて寄せられた
方がいらっしゃいます。その詩をご紹介させていただきます。(横読みです)

 君黙々歩雪中林
 頭上独太陽見守
 風声木々  包君
 一時忘却日常事
 山頂絶景値万金
 新力湧出疲退散
 無事下山最上喜





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