北陸の峠道


猫坂峠

猫坂峠は、富山県婦負郡婦中町高塚(国道472号線沿い)と平等(だいら、県道377号線沿い)を結ぶ間の峠で
「いこいの村富山」から中部北陸自然歩道が交わり、峠は三叉路になっている。
この峠は、加賀藩と富山藩の境界だったところで、関所があったそうである。高塚と平等の猫がここで逢い引きをした
との言い伝えから、猫坂峠と呼ばれるようになったとか。

土曜日だったので「いこいの村」は、家族連れや子供会?の団体で賑わいつつあったが、自然観察路を過ぎて猫坂
峠へ向かうと、誰もいない静かな道となった。自然のままの雑木林の中、あちこちと朴の木の大きな落ち葉に敷き詰
められた処が見られる。以前歩いた京都大学の演習林の中を歩いている様な雰囲気を感じる良いところだ。この道も
昔から猫坂峠とつながっていたかの様に、U字型の古道を思わせるところがあって、とても歩きやすい道だった。



猫坂峠 祠の中にはお地蔵さんがいた

猫坂峠に着いた時、ちょうど我々くらいのご夫婦がベンチから立ち上がったところだった。今日、自然観察路を過ぎて
から中部北陸自然歩道で会ったのは、このご夫婦だけだった。峠にはお地蔵さんが置かれていたが、由来などを記し
た看板などは無くなってしまったらしい。

 

   朴の木の落ち葉が敷き詰められた平等への峠道             県道377号線平等の峠道への入り口 峠の案内は無い

峠からはまず平等への峠道を辿った。あくまでも緩い下りで、ほぼ真っ直ぐに下って行く。最初、沢が無かったのが、
やがて湿地みたいなものから細い流れとなり、深く掘り込まれた流れとなっていくのが判る。その横を歩く、そんな峠
道だ。県道からの入り口には峠道を示すようなものは何も無かった。

 

     高塚への峠道は少し急な坂だった                 国道472号線高塚からの峠への入り口 案内板があった

峠から高塚への峠道は短く急坂で、峠近くは両側が深い谷になっている尾根の上だった。U字型の昔の道が平行して
残っていたりする。高塚の集落へ下りると、沢山の実を付けた柿木に迎えられたが、人の気配もなく静まりかえってい
た。それで、また峠へ登り返して「いこいの村」へ戻ったのだった。

峠の標高は130m、平等ー猫坂峠ー高塚は、35分くらい。いこいの村ー猫坂峠は25分くらいで歩けるが、ゆっくりと
雰囲気を味わいながら歩くのがいいと思う。珍しく峠の両側の道を歩くことが出来た。合計6km程度歩いた勘定だった。

(10月26日)


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