福井の小さな山歩記
野伏ケ岳
福井県と岐阜県境に願教寺山から南に連なる山々には以前から挑戦したいと思っていた。和田山牧場跡
から登ってみたいと考えていたのだが、ちょうど山仲間が行くと云うので、念願かなって一緒に行けることに
なったのである。天気は晴れ、朝5時に出発する。
2時間半近く掛かって白山中居神社の下の石徹白川の橋を渡って車を停める。そこら辺り車だらけなのだ。
山スキーのメッカだけあって、スキーを担いで歩く人やスキーを着けて歩いて行く人が多い。そして長い林道
歩きが始まる。今朝は気温が零下だったので雪は最初のうちは固く歩きやすかった。牧場跡まで1時間半
くらい、真っ白な広い雪原と素晴らしい山並みが目に飛び込んできた。雲一つない快晴となっていて、眩しい
のでサングラスを掛ける。カミさんがゴルフのときに使っていたやつだ。
和田山牧場跡から望む野伏ケ岳
目の前にこれから登る野伏ケ岳、そして辿る尾根が山頂近くから左下へ伸びている。その右に薙刀山、あとは
名前が判らない。素晴らしいの一言だ。牧場が緑の牧草に覆われる頃にも来てみたい。また違った美しさが見
られるに違いない。
牧場跡から尾根の方へ。尾根を5・6人が一列になって登って行くのが望見される。やがてその尾根に取り付
くが、急斜面でとてもしんどかった。尾根に載ればあとは黙々と登るだけだが、これがまたなかなか辛い。人も
多く尾根は賑やかな雰囲気で、スキーを履いた一団は急なところで手間取っているみたいだった。クレバスも
あったりして一瞬ひやりとする。私は一人遅れてふうふう言いながら12時ちょっと前に頂上に着いたのである。
頂上から小白山方面を望む
頂上は入れ替わり立ち替わりで賑わっている。やはりスキーの人が多い。スキーを担いで登るのは大変みた
いだ。下りは醍醐味を味わうことになるのだろうが。勿論眺望は素晴らしいのだが、頂上だけは風があって寒
く鼻水が垂れる。雪がちらついたりしたのだ。カレーうどんを食べて下山だ。風が無ければもっとゆっくりしてい
たい気分だったのだが。
頂上で偶然出会った顔見知りの方 1人で長駆福井県側から登って来たという
帰りは別のコースとかで また福井県側へあっと云う間に消えていった。 行動食
しか持たないという 我々とはレベルの違う方なのである。
下りは早い。雪も柔らかくなっていて膝には衝撃がなくて良いみたいだったが、雪の林道は長く感じた。往きは
そうでもなかったのだが、やはり疲れてきたからだろうか。歩け歩け運動で鍛えた方と、いつも最後尾を遅れて
歩く私では極端に間があいてしまう。この3人のパーティは休憩のときしか一緒にならなかったのである。
あさってはもう4月、スキー場もそろそろ閉鎖の声を聞く、今年の雪山登山シーズンも終わりに近づいた。私の
場合これが締めになるかもしれないが、それに相応しい一日だったと思う。
('03年3月30日)