北陸の峠道


野田畑峠

この峠は昨年9月にカミさんと歩いた杉尾坂と三国岳(峠)の間にあり、美山町へ下ると京大演習林で
杉尾坂からの道へ出ます。名田庄村久坂で国道162号線から久田川を遡り永谷川の方へ入る。永谷
集落跡から先の林道は雪があり、集落跡に車を置いて歩くことになる。


永谷川 ここを30分ばかり遡る

これがズボズボと歩きにくく、途中からカンジキを履く。林道歩きに40分も掛かってしまった。林道終点
に三国岳登山口の標識があり、ここから沢づたいに歩く。数回徒渉を繰り返すので滑ってひっくり返らな
いよう慎重に足元を確かめる。雪解け水は冷たいだろうし。おかげで35分も掛かって尾根の取り付き点
へ辿り着いた。

見るからに急な雪の斜面でカンジキを付けて登る。しかしこの斜面は登りにくかった。ザラメ状の雪でズ
ルズルと滑るのだ。ほんの少し登るだけで息が切れる。ちょっと登っては立ち止まり、またちょっと登って
は立ち止まる。こんな急な道が昔の峠道なのだろうかと思う。雪で道はどんな状態か判らないのだが。
そう言えば杉尾坂も最初は急だった。


野田畑峠

峠の標高は670mちょっとで、短い距離で高度を300m稼ぐのだからなかなかなのだ。尾根を真っ直ぐ
登って行くとだいたい赤いテープのそばを通る。一カ所だけ右を指す標識があるのだが、うまいことそこを
通ったので全く迷うことなく目的地へ近づいている。
歩きやすくなってきたらもう峠近くになっていた。なんだか急に前方が明るくなったと思ったら峠だ。まぶし
い光景が開けている。薄暗い杉林の福井県側とは全然違うのだ。不思議なのは美山町側は坂という感
じではなく、峠とたいして変わらない所を沢がゆったりと流れているのである。

高台から見る緩やかな沢の流れ



峠に腰を下ろしての美山町側の眺め

明るい陽を浴びてゆっくり食事をした。久しぶりに熱いお茶でジューシー稲荷を食べて、これまた久しぶり
に「高級つぶあん栗入り」というあんパンも仕入れてきたのである。定番のバナナも欠かせない。

ちょうど11時に到着となったのだか、歩き出してから休憩も入れて2時間50分掛かった。ほんとは永谷
山(シンコボ)まで行こうとしたのだが、雪ではここから1時間以上掛かるのではと思われるので今日は
止めにした。今度美山町側からこの峠経由で行こうかなと思う。

心地よいひとときを過ごした後下山とする。帰りはちょうど2時間掛かったが、林道をズボズボと歩いている
となにやら疲れを感じてきた。人気のない永谷集落跡の写真を撮ったりして車での3時間の家路についた。
それにしても随分とすごいところに住んでいたものだ。野田畑峠が利用されていた頃から続いていた集落
なのだろうか。

神社の建物だったのだろうか 廃屋は寂しい

('03年3月21日)
<2万5千分の1地図 「久坂」「古屋」>


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