隠れ家でつれづれに
息子の成長(独り立ち)
今から13・14年前になるが、私はポケットベルを持って外回りの仕事をして
いた。3時頃だったかベルが鳴って会社へ電話すると、課長が「○○番へ電話し
てほしいと連絡があったよ」と云うことだった。そこへ電話すると、なんと警察署で
「お宅の息子さんを預かっているから迎えに来て欲しい」と云われたのである。高
校3年で進学先や就職先が決まる頃だった。
またある時、息子の通知簿を見ると、毎日きちんと弁当を持って学校へ行ってい
るはずが、学期の3分の1もが欠席日数となっているのに気がついた。学校から
何の連絡もないのもおかしいのだが、息子も何処でどうしていたか絶対に云わな
かったのである。
息子は福井の田舎の高校を卒業すると、東京は銀座の寿司屋へ就職した。アメリ
カにも支店を持つ大きなお寿司屋で、将来はアメリカに行けるかもなどと思ったりも
したのだが、数ヶ月ともたなかったのだ。
それからフリーターとなって転々とする。友人から金を借りて、その催促が直接
こちらに来たりもした。生活もままならず家へ呼び戻したり、英会話の学校へ入
れたりと大きな出費を強いられてしまったのだ。
英会話学校には、夏休みを利用してアルバイトで英語を教えていたカナダの青年
がいて、息子はその青年がカナダに帰るとき、くっついてカナダへ行ってしまった
のである。
そして時が流れ、紆余曲折ののち、息子は今年32才にしてやっと千葉の田舎の
学校を出て、この4月1日から独り立ちして生活することになったのだ。
最初の赴任地は東京だとのことで、最初は物入りだと思うのだが、給与制度がど
うなっているのか判らない。給与と云う言い方をするのかも判らないのだ。
息子の仕事は「牧師」さんなのである。
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