還暦つれづれ草


おじいちゃん飛んで回る

このお盆は、二人の息子がそれぞれの家族と共にやってきて久し振りの大賑わいとなった。普段は夫婦
二人なので部屋は散らかしたままなのだが、誰か来るとなると大掃除となる。生後10ヶ月の孫が来るので
何処でもハイハイしてもいいように、いつもより少しは丁寧にしたのである。

私の二人の息子は体がデカイので二家族が福井の家で鉢合うと狭く息苦しい。それで福井の家では
鉢合わせにならないよう調整して能登の家へ行って貰った。能登での勢揃いは一晩だけだったが、全員
でバーベキューをした。U字溝を運んで炭火を熾して、孫もいれて8人で賑やかに囲んで食べて飲んだ。

長男夫婦が帰った後は、埼玉からやってきた3歳と10ヶ月の孫を海に浸けてやらねばと、この日のため
に用意してきたテントや折り畳み式のテーブルを海岸に運んで組み立てる。場所も前もって下見しておい
た安全で静かなところだ。

孫二人を海水に浸けるのは海辺育ちのかみさんに任せて、おじいちゃんは昼飯や飲み物の買出しに街の
中へ車を走らせる。お盆だからショッピングセンターは混んでいる。ふんぱつして握り寿司などを買い込ん
だのだ。店のおやじは忙しくて注文には応じ切れないと言っていた。

海岸に戻って、飯だ飯だ!とみんなを呼び集める。こうやって孫達と海岸で過ごすのは初めてだ。
昼食がひと段落すると、今度は孫娘のために浮き輪と息子のために水中眼鏡を買ってきて欲しいと云われ
おじいちゃんは再び街の中へ車を飛ばす。ところが先程のショッピングセンターには見当たらず、その隣に
あったホームセンターは百円ショップに替わっていた。もう一つのショッピングセンターは無くなっていた。こ
んな小さな街に二つは難しいのだろう。それもすぐ近くだったから尚更だ。

隣接してある大型薬店にも花火や虫取り用具はあっても浮き輪はない。そんなこんなでうろうろした挙句、
やっと別のホームセンターがあることに気が付いて浮き輪を見つけることが出来た。3歳の孫娘はむっちり
太っちょ、身長は4歳、体重は5歳位とのことで5才〜10才用の浮き輪を購入する。だいぶながい時間掛か
って海岸に戻ることが出来た。

たちまちこんがり日焼けした孫娘、お父さんお母さん、おばあちゃんおじいちゃんに遊んで貰い、小さいカニ
やヤドカリに触れ、桜貝を拾いきっと楽しい一日だっただろう。おばあちゃんおじいちゃんも楽しかったのだ。

孫たちとは一週間近く一緒に過ごすことが出来た。みんなが帰った後はいっぺんに秋の気配がやって来た
ような、そんな気がした。

(8月18日)


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