福井の小さな山歩記
大御影山(’00・09・30)
大御影山(950.1m)は、美浜町と滋賀県今津町の県境にある。朝6時頃車で家を出る。
晴れていたが美浜町新庄の「渓流の里」から能登又林道へ入る頃から雲行きが怪しくなっ
て来た。林道途中から右手へ上って少し行くと登り口がある。火の用心の赤い標識が建っ
ているだけだが、上を見ると送電線が近くを走っている。送電線の巡視路を登るのである。
今日は、かみさんと二人連れである。
7時40分に歩き出して沢沿いの道をしばらく行き、3・4回沢を渉ってから急登となって送電
線の鉄塔へ。いくつかの鉄塔を通って稜線へ出て三方町能登野からの道へ合流する。昔、
近江の酒波(さなみ)と能登野を結び、「近江坂」と呼ばれ荷馬の通り道だったそうである。
ところが、そこへ行く前に鉄塔から先に道が見当たらなくてうろうろする事態となった。地図
を見て、一つ手前の鉄塔から道があるらしいことが判明、火の用心の赤い標識に惑わされ
てしまったのである。この頃は雨が降ってきて合羽を着用していた。風もだいぶ出てきた。
そんなこともあって「近江坂」へ合流したときは、歩き出して2時間を経過していた。稜線の
道はブナ林の中の広い道だったり、とても歩きやすい。登りになるとU字型のじぐざぐの道
になる。昔の姿をよく残している。ただ、道に被さっている木の枝が多く、そのたびに腰をか
がめるのがしんどかった。枝打ちなど道の整備が必要みたいだ。せっかくの古道が荒れ気
味の様な気がする。歩く人も少ないのだろうか。
大御影山 山頂
だけど大御影山への道は遠かった。雨の中4時間も掛かったのだ。頂上へ着いて雨の中
立ったまま冷たいビールを飲んだが、すぐに汗が冷えて寒くなってきて、サンドイッチなどを
食べた後すぐに引き返すことになった。雨は止んでくるようで、そのうちガスも晴れてきた。
帰り道、送電線の巡視路を歩いていたとき、間近でどさどさっと大きな音がして、びっくりして
キジでも飛び立ったのかと思って下の方を見たら、熊が振り返ってこちらを見ていた。我々に
気づくのが遅れて驚いて飛び降りたみたいなのだ。
今日、もう一つ驚いたことがある。ブナ林の枯れた太い木に、薄いクリーム色のキノコがす
ずなりとなっているのである。それは見事なもので、遠くからでもそれと判る華やかなもの
だ。食べられるキノコではないかなと思ったが、採るのが惜しい様な、そんな感じで、その
まま写真に納めるだけにした。
写真のさらに上の方まで生えている茸
帰りの下りでは膝が痛くなってきて、ますますゆっくりとした歩きとなり、3時間40分ばかり
掛かってしまった。疲労困憊という感じで車にたどり着いたのである。反対側から登ると頂上
まで1時間だそうである。でも今日は、落ち葉の積もったU字型の古道をたっぷりと歩けたの
がとても良かったと思う。
8号線沿いの敦賀市横浜という所のドライブインで熱いラーメンを食べた。特製蟹ラーメンは
1000円もしたので普通のラーメンを頼んだら、おまけだと云って蟹を入れてくれた。美味し
い味が出ていた。