福井の小さな山歩記


大品山自然歩道(富山県)

今日はあの煎じ薬をくれた小春おばさんをお連れして、五箇山近辺の山を登ろうということになって
いたのだが、直前になって小春おばさんが風邪ぎみとのことで、急遽我々夫婦だけで行くことになっ
た。そこで登る山も鍬崎山という今まで聞いたこともない山に変更、さらに前日は立山山麓家族旅行
村にテントを張ろうということになったのだ。テント・寝袋・ザック・食料等荷物満載で我がスターレット
は一路立山山麓へ向けて出発となったのである。



ところで、鍬崎山(2090m)へは最初らいちょうバレーのゴンドラリフトで標高1188mまで上がるの
だが、運行開始時間が土日祭日は8時と思っていたらいつも8時半だという。そこで脚の遅い私として
は、最終の4時半までに山頂駅に戻れるか不安になってきたのだ。

そして、当日ゴンドラ運行開始を待つ間、地元の何人もの方々からいろいろ話しを聞くうちに、これは
無理らしいということに傾いてきてしまった。12時半までに鍬崎山に到達しないと、戻りも遅いのだか
ら、4時半の最終便には間に合わず、瀬戸倉山から更に2時間急な坂を日暮れの早い中を下らなけ
ればならないと云うのだ。ゴンドラ駅まで来て残念間に合わずというときは、ゲレンデを1時間くらいで
降りることになるのだ。別の方によると、大品山にテントを張って身軽に5時間で往復するのがよいと
云うし、駐車場の整理をしていたオンチャンによると、夏のイベントの時は7時からゴンドラが動くので、
そのときに登るのだという。

向かい合ってテントを張った我々よりもだいぶ若い夫婦は、偶然にも鍬崎山に登るとのことで、脚には
自信がある様子だ。ゴンドラに一番に乗って、我々は二番目のゴンドラで続いたのだが、歩き始めると
すぐに見えなくなってしまった。足が速いのである。

我々はゴンドラ山頂駅を8:40、瀬戸倉山9:20、大品山10:00,と標準タイムで推移し、これで行くと
鍬崎山は1時になってしまう。カミさんはまだ諦めきれない様子なのだが、私の足は遅いし無理が利か
ない。そこで、折角だからと大品山の次ぎのピークまで行くことになった。



大品山からは一旦100mぐらい下がるのだが、大品山から先は紅葉が綺麗だった。黄葉と云うべきか
一面黄色のブナ林の中を行く。見上げる山肌には紅色も混じって、陽がさしていればともっと綺麗だろう
と思われた。今日はほとんど曇りで高い山々は見えない。朝方雨が降ってテントが濡れたが、日中は時
々晴れ間も覗いた。

登り返して1429mのピークを過ぎた見晴らしの良い処で10:40となり休憩とした。朝食が早く雑炊だっ
たのでお腹が空いたのである。カミさんはまだ先へ行ってもいいという様なことを言っていたのだが、ここ
で1時間近くゆっくりしたので望みは無くなったのである。



戻りは瀬戸倉山から龍神の滝や百間滑を見て旅行村へ降りるコースをとったが、急な下りで階段が多く
龍神の滝までが大変だった。つくづくゴンドラの有り難さが判る下りだった。おまけに龍神の滝は夫婦滝
なのだが、肝心の方が枯れていたのである。ここで少し休憩して下りは3時間40分近くかかって、旅行
村へ着いた。キャンプ場を通りかかったら、なんと先へ登って行ったご夫婦が靴を脱いでいるところだった。
鍬崎山にはちゃんと登ってきたそうで、たいしたことはなかったと云うのである。12時には山頂にいて下
りは2時間40分でゴンドラ山頂駅に着いたというから余裕たっぷりだったのである。

我々も行けば間に合っただろうか?やはり無理だったのではないかというのが結論だ。でも、今日の山行
はキャンプも体験出来て楽しく満足のゆくものだったのである。

('03年10月12日)


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