北陸の峠道


折立峠と赤谷峠


折立峠は、鯖江市の上河内町から美山町折立へ越える峠であったし、赤谷峠も鯖江市尾花町(上河内町
から1.5km程西より)から美山町赤谷へ越える峠であった。2万5千分の1地図によると、赤谷峠は出て
ないし道も途中で途切れているので、地図に載っている折立峠へ登り、林道を歩いて赤谷峠へ行くことに
した。結局今日は林道歩きの峠巡りだったのである。

足羽川沿いに池田町へ向かうと、池田町との境の手前に折立集落があり、立派な称名寺の山門がある。
その横を入って行くと舗装された細い林道を上がって行ける。二股を上河内林道へ入ると滝があったりする。
折立峠への分かれ道の処へ車を置いて歩き出すとすぐに砂利道になるが、やはり林道という感じだ。25分
程で折立峠に着いた。

 

林道の通る折立峠と壊れた石仏

尾根伝いに林道が走っていて広い峠だ。壊れた石仏があった。反対側に降りて行く様な道みたいなものが
認められるが、昔の峠道かどうかは不明。今歩いてきた道も昔の道を広げたものとは限らないが、沢沿いで
多分それに近いものなのだろう。

折立峠は高度計で461mだった。さて、昔の人達はこの峠を越えて何を運んだのだろうか。折立の方から
上河内にある鉱泉に農作業の疲れを癒しに越えたり、河和田漆器に使う漆を集めて運んだりもしたのだろう。

そこから赤谷峠に向かって1時間15分位い尾根伝いの林道を歩いた。途中、山伏岩とか的岩とかががあっ
て、その道下に継体天皇の薄墨桜があるとの立て札が立っていた。赤谷峠はそこから間もなくで登り道を探
しながら歩く。ちょっと急斜面を登った跡があり、そこを這い上がろうとしたら、なんと濃い草色の細いロープが
雑草に紛れて下がっているではないか。ほんの2・3mだが助かった。20mほど登るとそこが赤谷峠だった。
高度計は507m。ここが峠だという印は何もない。



赤谷峠から赤谷方面を望む

赤谷側は緩やかに下っていて、辺りに道らしいものは見当たらなかったが、そこを下って行けば道が残って
いるのではないかと思う。林道の反対側(鯖江側)は急斜面で道らしいものは無いが、降りて行けそうなと
ころはあった。この道は漆を集める人達が行き来したのだろう。赤谷という名前についてはいろいろと言い
伝えもあるらしい。

昼食は殿上山側へ少し尾根を登って広い尾根に腰を下ろした。殿上山へ足を延ばしたかったが、1時近くに
なってきたのでそのまま戻ることにした。

半分位い戻って来たら軽四のトラックが止まっていて、陽に焼けた丸顔の田舎田舎したおっさんが荷台をご
そごそしているところだった。挨拶をして通り過ぎようとしたら乗せていってあげるとのこと、せっかくだからと
甘えることにした。猟師だそうで鉄砲もあった。毎日仕掛けた罠を見て回っているそうで、熊や猪、狸もたま
に掛かるという。猪は一匹一匹味や匂いが違うのだそうだ。獲れたらみんなで食べてしまうとのこと、こんな
町に近いところに猟師がいるとは知らなかった。話をしていたらあっという間に車の処に到着した。



折立山称名寺山門

称名寺の山門を撮していたら、坊さんが黒塗りの車で出掛けるところだったが、えらい勢いで発進して走り
去っていったので、坊さんには似つかわしくないなと思ったのである。その昔権勢を誇った古刹なのである。

(’01・12・01)

<歩いた足跡>



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