福井の小さな山歩記


音波山

音波山(872.6m)の音波は三等三角点の点名だ。今庄町と余呉町の県境の稜線上にあって、栃ノ木峠から
上谷山の方へ稜線を辿ると 2時間半ほどで到達する。ブナ林で知られているのか、Web上でも県外の方のホ
ームページで見ることが出来る。


栃ノ木峠滋賀県側の「淀川の源」の碑 ここから入って左へ 県境の尾根に取り付く

地図では栃ノ木峠から少し下がった処に道が在るようになっているが、よく判らなかったので、峠の滋賀県側に
ある「淀川の源」の碑の処から入り、左へ行き尾根に取り付いた。この尾根の登りが、今日唯一の登りらしい処
だったような気がする。
間もなく県境の尾根は左へ曲がるが、そこからは送電線の巡視路となっているので、とても歩きやすい良い道で
峠道みたいに掘れた道がゆるく登っていく。741mのピークの次ぎが765mというようにアップダウンの少ない道
で、天気もまずまずなのでのんびり歩いていたら時間が掛かりすぎてしまった。


こういう素敵な尾根道です

ブナやみずならだと思うが、それらの葉を落とした樹々を見ながら歩いていると、やがてブナではないかと思わ
れる林が現れる。秋の葉を落とす前とか新緑の頃は素晴らしい風景となるのではと思われる。この辺りはあま
り針葉樹が目につかない。



何本目かの送電線の鉄塔を過ぎると急坂で、少し下ってからおかしいなと思って一休みして地図を見た。ここで
巡視路は県境の尾根から離れて下って行くのだ。その時、雨やあられが降り出した。カッパの上だけ着て斜面を
登って尾根へ。ちょっと先になめ茸の沢山付いた樹を見つけたのだが、雨では採るのも面倒なので先を急いだ。
食べられそうな茸を数カ所で見つけたが、あまり食べたいとも思わないので、採らないでそのままにしておいた。

踏み跡は薄く、どこでも歩けるような広い尾根から灌木の密集したところへ差し掛かったら雨がひどくなり、踏み跡
が判らず悪戦苦闘となった。下はカッパを付けてないのでビショ濡れだし、今日はここまでとするかと判りやすい処
まで引き返した。そこで休憩してバナナを2本食べていたら空が少し明るくなって、時計は12時15分、地図を見る
と1時までには頂上へ着けそうだ。バナナのせいか急に力が沸いたみたいで、薮に突入したのだ。

往きは大変だったが、帰りは薮の中の踏み跡が判り、かがみ込むようにして頭から突き進んだら簡単に通過出来
た。この踏み跡をすぐに見つけられるかどうかだが、天気が良ければ見つけやすかったのかも知れない。それから
灌木の少ない横手を行けばよいことも帰りに判った。


三等三角点 音波 872.63m

丁度1時に三角点を見つけた。北側が広く見渡せるのだが、平凡な景色と言うのだろうか。じっとしていると寒いの
で、熱いお茶でコンビニの「おろし蕎麦」を食べてすぐに帰路につく。途中また雨やあられにあって靴の中まで濡れ
てしまった。最後は巡視路を終わりまで降りて、ベルク余呉スキー場への道路のゲートの前にでた。

車に着いて熱いお茶を飲みながら大福餅を食べた。お腹も落ち着いて、やおら峠をあとにしたのである。



('04年11月21日)

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