還暦つれづれ草


プラモデル

このところ、ちょっと落ち込んでいるのだ。豪雨の前日に花立越えをうろついてから、右膝に歩くたびに
痛みがはしり、これでは当分山や峠歩きは出来そうにもない。様子をみて痛みが引かないようなら医者
に見て貰わねばなるまい。当然家に居る時間が多くなり、外出もするが、車で図書館とか店をぶらつく
程度なのだ。そんな訳で冷房の効いた部屋でクラシックでも聞こうと、何年振りかで1,000円シリーズの
CDを2枚購入してきた。
ところが、ピアノソナタ熱情を聞いていたら音飛びがするではないか。レンズをよく拭いても治らず。こう
なるともうお手上げだ。手のひらに載るような安いプレーヤーでは音飛びはしないから、この10万円位
した(だいぶ昔のことです)装置も寿命が来たのだろうか。どうもついていない。

そこで今度はプラモデルでも作ろうかということになった。前から欲しいと思っていたものがあるのだ。そ
れは複葉機、二枚羽根の飛行機なのである。私は子供の時から飛行機が大好きだった。中学生の時に
は東京は大井町駅近く、三つ又の縁日の露店で、古い航空雑誌を買い求めたりしたものだ。夢叶わずで
航空関連の仕事には就けなかったが、今でも本屋へ行くと航空雑誌に目を通すことが多い。

子供の頃に見た映画には、複葉機が出てくるものが印象に残っている。映画の名前は思い出せないが
「頭上の敵機」等というのもあったと思う。それに撃墜王リヒトフォーフェン男爵の愛機として有名な三葉
機が出てくる「レッドバロン」というカラーの映画があった。これはリバイバル上映されたように思う。

という訳で、プラモデル屋に顔を出してみた。ところが複葉機などは全然無いとのことなのだ。最近は飛
行機のプラモデル自体があまり売れないのだそうだ。この店に無ければ福井にはないと思われるのだが
この店の人は「それでは取り寄せましょうか」とは言ってくれないのだ。商売気が無いなあと思いながら
店を出たのだった。

インターネットで探しまくり、やっと輸入物で数種類の複葉機を見つけて注文した。これが届いたら、雨の
漏る隠れ家で音楽でも聴きながら、のんびりと組み立てようかなと思っている。子供の頃の夢がやっと叶
うというと少しオーバーだが、こう云うのを男のロマンとでも言うのかなあ。

('04年7月21日)



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