福井の小さな山歩記

三角山

三角山なんて聞いたことがないかも知れない。この山の頂上に登ることを目的にすることはあまり
ないからだ。六呂師高原スキー場の上のリフトの終点があるところで、経ケ岳へ登るときの通過点
となる山なのだ。2.5万分の1の地図には799mとある。

今日はそこらじゅうの山々がくっきりと見える素晴らしい天気で家に居るわけにもいかない。そこで
防水の新しい靴を履いて、スノーシューで斜面を登る練習にとまたまた六呂師にやってきた。奥越
高原青少年自然の家から歩いて三角山からの尾根の何処かに出られればと歩き出したのだ。

今朝は冷え込んだので昼ころでも道は靴で歩けそうだが、スノーシューを脱ぐわけにもいかない。
4・500mも行くと山側に熊注意の看板があった。誰か登った様な跡があるし登り易そうだ。さらに
先に進むと200m位で道が終わり斜面を登ってゆく足跡がある。そこでその跡を辿って登った。

300mも緩い斜面を登るとちょっと下がってから登りが急になりそうだし、どうやら尾根と広域林道
とが交わる辺りに向かっているらしいので引き返すことにした。カメラだけを持って歩いているのであ
んまり遠くへは行きたくない。それでさっきの熊注意の看板の処から登ることにする。



道から斜面に取りつく処 夏道があるのかも

陽が当たる斜面なので雪がゆるんでずるずると崩れたりして登りにくい。なかなか急で息切れがす
る。汗でゴーグルが曇って役に立たない。上に行くにしたがってリフトの音が聞こえてきて、その音
がだんだん大きくなってきて尾根に出た。地図上では道から直線で300mくらいだが、ここだけでこ
んなに汗をかいたりしていたらとてもじゃないが経ケ岳までなど行けないと思ってしまう。雪が無くて
も大変なのだから。



三角山リフト終点から見る荒島岳

六呂師スキー場はやはり空いている。リフトで一番上までやって来る人は極めて少ない。可愛らし
い女の子が5人ばかりスノーボードを抱えてリフトでやってきて、すいすいと気持ち良さそうに滑り
降りて行く。今の若い人は幸せだなと自分の若い頃を想い出してしまった。

山頂付近は樹がまばらに生えているだけだが、今日の踏み跡かどうか判らないが、ずっと上に向
かって続いていた。少しうろうろしてから降りることにしたのだが、下を見るとずいぶんと急なので驚
いてしまった。スノーシューの足を下ろすときは踵を後ろ側へ押しつけるように一歩一歩足を出さな
いと長さがあるので急な斜面は不安定になる。逆に登るときは先を斜面に突っ込むようにするのだ。

車に戻って下着を着替えたが、ほんとに汗でぐっしょりだった。今日は短い距離だったが汗の量だけ
は夏山みたいだった。帰り大野の街へ入り「福そば」で「おろしそば」の大盛りを食べた。すでに3時
をだいぶまわっていた。

(2月16日)
<歩いた足跡>


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