福井の小さな山歩記


僧ケ岳(富山県)

僧ケ岳(1855.4m)は、宇奈月温泉から車で上るコースが判りやすいので、北陸高速道黒部ICから
宇奈月温泉街へ向かう。街へ入ると僧ケ岳の案内表示に導かれて道路を上がると平和の像がある。
さらに進むと、第1登山口、そして第2登山口がある。さらにずーっと上がって行くと、やがて1043m
地点の展望広場に着く。そこに車を置いて暫く歩くと鉄梯子で始まる第3登山口がある。

道路は更に続いていて、工事中のため進入禁止の看板が立っていた。カミさんと二人で鉄梯子から
登り始めるまでに2台の車が先へ進んで行った。この先へ行ければ1250mから登れるらしいのだ。
若い男性が1250m地点の登山口から登るとのことで、自転車を押しながら先へ歩いて行かれた。

        第3登山口

鉄梯子からずっと登りが続いて、たちまちシャツはしぼる程の汗だ。ひいひい言いながらゆっくりと登
る。これが1431mのピークまで続いた。この間も周囲はガスに包まれて何も見えない。降らないだ
けいい。脚がのろいので1時間半近く登りが続いた様に感じたが、それからは平坦な歩きやすい道
が続いて助かった。

やがて1250m地点の登山口から上がって来る道と合流する。そこまで2時間も掛かってしまった。
そこからまた平坦な道をしばらく進むと、昔の鉱山道と前僧ケ岳への分岐点に達する。迷わず前僧ケ
岳の方へ進んだが、急な直登が待っていたのだ。やがて感じの良い仏ガ平に。三人の女性が賑やか
に食事をされていた。上空には青空が広がりのどかな雰囲気のところだ。そして僧ケ岳のピークはあ
と一息のところに見えている。



前僧ケ岳と手前仏ガ平 僧ケ岳山頂手前より

そこへ朝の自転車の人が頂上から降りて来た。若い人は元気がいい。ここには1800mと記された
板があった。一息登って12時5分頃僧ケ岳山頂に辿り着いた。山頂には二組のご夫婦と顔見知り
の山仲間が二人居て驚かされる。周囲はガスがめまぐるしく吹き流れて、その間隙から朝日岳、白
馬岳、鑓ケ岳等々が姿を現す。久しぶりに白く輝く雲海を見ることが出来た。青空に薄くたなびく雲は
秋の雰囲気を漂わせているようだ。



休憩をいれて3時間45分も掛かった。尾根続きの駒ケ岳(2002.5m)へ行こうと思ったら、私の場
合1250mの登山口から朝の7時半頃に登り始めなければならない。行く機会は無いかも知れない。

帰りは仏ケ原から昔の鉱山道跡を通ったが、殆ど平坦で登りに使うべきだった。そして1250m登山
口に向かって烏帽子尾根コースを下る。下るに従って樹々の枝々の間までが乳白色のガスに覆われ
ていた。頂上から2時間10分で1250m地点の登山口着。車が4台ばかり停まっていた。道路は広く
舗装直前の状態で、これなら走るのに全く問題ない。日曜日は工事もないから大丈夫だった訳だ。



休んでいたら中年の二人連れが駒ケ岳へ行って来たと言って下りて来た。駒ケ岳からの眺望は素晴
らしかったとのことだ。朝7時過ぎにここから登ったそうである。我々が1043m地点の車まで道路を歩
き始めて間もなく、車が停まって載せてくれるとのこと、有り難い。このおじさんは地元の方で、朝10時
半頃に登り始めて駒ケ岳を往復してきたという。いやあ〜全く凄いスピードだ。

私らの車のところまで載せて貰ったが、もう4時になろうとしている。載せて貰えなかったらあと1時間は
歩いていなければならなかったのだ。長い一日だった。福井まで高速道を飛ばしたのだが、通行料が
片道4,100円では、そうたびたびこちらの山へ登るわけにはいかないなと思ったのである。

('03年9月7日)



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