還暦つれづれ草


夫婦は気楽だ

カミさんのゴルフも一段落したらしいので、峠にでも一緒に登ろうかということになった。何故「北陸の
峠道」に載せないかと云うと、登り口から250mくらいのところで二股になっていて、道なりに左へ進
んだのだが、これが間違いだったらしい。全くとっけんはっけんのところを二人でうろついただけで帰っ
てきたからなのだ。

危ない崖の処を道を探して行ったり来たりするなど、だいぶ苦労を重ねてやっとのこと行程の3分の2
位まで到達したかなと思うあたり、目指す峠のある稜線が目の前に迫って来たのだが、肝心の踏み跡
が急にあやふやになってしまった。完全な薮漕ぎ状態となってしまったのだ。

割と深い沢にぶつかり、それを越えて斜面を登ればと思うのだがとても難しそうだ。それに私が予想し
たルートからだいぶ離れているので、これは完全に道が違うということで戻ることにした。なにしろ地図
にルートの記載が無いのだから、最初の間違いは致命的だ。
この暑い中、4時間近くも歩いて汗だくとなって登山口に戻って来たのである。それにしても随分と山奥
にまでちゃんとした道が延びているものだなと感心した。

一人歩きは気楽だが心細いこともある。そこえいくと夫婦はなんやかやと言いながらも、まだ気楽でい
られる。道を間違えても気兼ねなしに戻ろうと云えば済むし、たまには目的地まで到達できないことが
あっても、今日は良い運動になったし、今度いつ登り直そうかなどと話ながら家路につくことが出来る。

これが他人を連れて行くとなると、前もって歩いたりして確認しておかないと、大変申し訳ないことにな
ってしまう。

今朝、登山口でまだ若い夫婦が、頂上へ登るのが目的でなくて山を歩くことそのことが好きなのだとか話
しているのが聞こえてきた。陽に焼けた旦那のひとなつこそうな顔がいい。山歩きをほんとに楽しんでい
るんだなと思った。
我々夫婦は峠歩きが趣味なのでとか格好つけて皆さんと違う道を登り始めたのであったが、「えへへっ!?
頭ぽりぽり」と云う感じで駐車場へ戻ってきた。こんな所で道を間違える人は珍しいかもしれない。駐車場
には他県ナンバーの貸し切りバスが増えていて、沢山の人が今頃頂上辺りかなと思われるのだった。

さて、この福井県の峠は何峠でしょう? 峠の標高は1344m 当たっても何も出ません。

(8月4日)


        還暦つれづれ草の目次へ