北陸の峠道
杉峠
白峰村三ツ谷と大野市上小池を結んだ峠道の県境の稜線上にある。赤兎山と六本桧の間の六本桧寄りに位置し
三ノ峰へ登る時や下山するときに使う人もいるという。昔は白峰村の人達がこの峠を通って上打波の方へやって来
て出作りしたり住み着いたりしたのだそうである。だからこの峠道は生活道だった。
私は今回2回目の挑戦なのだ。前回はカミさんと多分道を間違えて4時間程うろついたので、今日は行けるのでは
ないかと8時頃歩き出した。6・7分で前回左へ行った二股を右に入る。これで順調に行けると思いながら歩くのだが
斜面の横を少し下りぎみになるころには、踏み跡は非常に細くなり草に覆われたりして危なくなってきた。これが峠道
なのかなと疑わしい。
やはり大きな草や灌木の中踏み跡が無くなり、それらに隠れて小さな湿った沢の様なものがある。これで沢に降りる
のだろうと少し下ったが、とてもこんなところを峠道があったとは思えないひどさで登り返した。方向としてはいいように
思えるのだが、何処かで道を見落としたのかも知れない。
少し先にガレ場があり尾根に登ることにした。上にいくに従いすごく急になり、掴まる石、足を載せる石と慎重に確か
めながら這い上がり尾根に出た。後から思うにこのガレ場を下れば良かったのかなと?一人ではこういう時に考えが
限られ一つの考えにとらわれてしまう。豊富な経験がないので落ち着いて考えられなくなってしまうのだ。
尾根を先の方へ歩いてみたが、尾根伝いには行けず、やはり一度谷へ降りなければならない。はっきりした道がない
ので諦めて尾根を戻ったら、いつの間にか登ってきた道へ合流して上小池駐車場へ10時に戻ったのだった。
六本桧 階段等だいぶ改修されていた
そこで時間も早いので最後の手段、六本桧から稜線伝いに杉峠を目指すことにした。これなら絶対迷うことがない。
しかし私の体力ではなかなか辛いものがある。12時に六本桧。すごい風だ。三ノ峰から戻って来た人もすごい風だった
とのこと。缶ビールを飲んで元気をつけて杉峠へ向かう。
杉峠 白い柱は三ツ谷への道を示す 今写真を撮っているところが桧谷への降り口
杉峠は1344m、六本桧は1430m位なので下りぎみで、大きな杉の側を通ったりブナ林を見ながら1時間程で到着し
たのである。所々に倒木があるくらいで歩きやすい道だ。峠は標識があるのでそれと判るだけのところで、三ツ谷への
道、桧谷へ降りる道が薮に覆われて覗かれる。桧谷へ降りて上小池に戻ることも考えたが、ちょっと覗いてやめにした。
上の方はともかく沢の近くはどうなっているか判らない。三ツ谷側は尾根を下るので問題無い様に思われる。
杉峠は峠に大きな杉の木があったので杉峠と呼ばれたと云うのだが、疲れて帰りの時間も気になって大杉には気が
付かなかった。だから大杉の根元にあったと云われる石仏も見ることが出来なかった。もう無かったのかも知れない。
戻りは多少の登りなのだが、この少しが辛い。頭がボーッとしてきてふらつく感じになったので休んで冷たいスポーツ
飲料を飲んだ。とても美味しくて、その後少ししゃきっとしたように思った。塩分が不足してきたのだろうか。3時間掛か
って4時20分に上小池駐車場に到着、朝10台あった上の方の駐車場は私が出た後は1台を残すのみだった。
今日は疲れた。8時間も歩いたから。帰り道、鳩ヶ湯鉱泉の横を通ると車が沢山停まっていて、周りを散策する人や歓談
する人などで賑わっている様子だった。
(8月31日)
<杉峠への足跡>