北陸の峠道
庄野峠(長野尾峠)
庄野峠またの名を長野尾峠と呼んだこの峠は、敦賀市池河内から余呉町中河内へ抜ける道にある。
中河内は昔、北國街道の宿場だった。今は国道365号線を車が勢いよく通り過ぎるだけだ。この峠道
は中河内に住む人にとっては、生活道路であったのだろう。敦賀の方へ炭などを運び、塩や日用品など
を買いに出掛けたのだ云われる。
中河内の峠の入り口のお地蔵さん
登り口が判りやすいらしいので中河内から歩くことにして、国道365で栃ノ木峠を越えて中河内にきた。
右手に神社があり、そこへ車を停めて集落の中の道を行くと、365号へ出る手前にお地蔵さんが並んで
いる。そこが登り口で、峠道へ入るに相応しい。犬が盛んに吠えてうるさいのが雰囲気を壊している。
比較する物がないのでよく判らないが深く掘れた道
そこからすぐ尾根に取り付くので登りは急だが、深く堀り込まれた道となり水道の配水施設に来ると、左
が深く掘り込まれた道、右がその横を平行して登る道となるがすぐ上で一緒になる。それからもずっと堀
通しの道が続く。時には私の背丈の2倍以上も深さがあり、排水路も何カ所か設けられている。底に溜ま
る枯れ葉も厚くふわふわだ。
平坦な尾根上の道は笹を除けながら 道はしっかりしている 涼しい風が吹くのはここだけ
登り切る手前にケーブルが立ち上がっている処があり、どうやら道の下にはケーブルが埋まっている様だ。
笹を分けて進む平坦な尾根道がしばらくあって、尖り屋根のコンクリの立ち番小屋みたいな物がある。この
辺りが県境になり、この先、また深く掘れたV字型に掘れた道となる。峠のお地蔵さんが無いので、何処が
峠か判らないが、平坦な尾根道の途中にお地蔵さんがあるといいのではないかと思ったりした。
県境付近の尖り帽子の小屋
下り始めて間もなく、多分この峠道で唯一、山あいから敦賀の平地の方が望まれる処があった。
池河内側は下りが長いようだ。あくまで深く掘れた道が続き、こういう典型的な峠道の雰囲気を味わいたい
方にはお薦めの道だと思う。沢沿いに降りる前がちょっと薮っぽいだけで、あとは全くこれが峠道だという
感じのものだった。 道の長さも適度なものだった。 1時間半程度で越えられるので、私としても珍しく往復
することになった。
池河内の集落へ林道から出る処 池ノ河内分校 冬の間だけ使うのか?
池河内の集落は、ほんとに田舎田舎したところで、4・5人の親父さんおばさんが立ち話をされていたので
峠道以外の道を聞いたら、柳ケ瀬トンネル経由しかなく、15km以上は歩かねばならないので、峠道を登り
返すことにしたのである。集落内の神社の境内で軽く食事を摂って休憩とした。少しの間雨が降り、止むの
を待って帰路についた。
この峠の存在を知ったのは一週間程前だった。素敵な道だったが、峠にお地蔵さんがいないのが寂しい。
('04年11月28日)
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