福井の小さな山歩記
高尾岳(’00・10・14)
山登りには絶好の季節だけど他の催し物も多く、今日はお昼までに家に帰らねばならないので
一時間位で登れる山と云うことで、勝山市は野向町の深谷集落から登る高尾岳(525m)にした。
梅本神社の左手から登りだす。最初はなだらかで「頂上まで800m」の標柱があり、次に「頂上ま
で500m」の標柱があるが、どの辺からか急登となり、そのままずーっと頂上まで急な登りで、短
い時間の登りなのに頂上へ着いた時は気分が悪くなってしまった。5分くらい休むうちに治ったが、
やはり急な登りの時は、途中で休憩しなければ脈拍が高くなりすぎるのかもしれない。
頂上といっても、林の中の広場という感じで、二つの祠と「高尾山白山神社の由来」を書いた看板
が立っていて、展望は良くない。毎年4月30日を祭日として、必ず新しいよもぎを摘み、よもぎ団子
を造って家族揃って山頂に登り、よもぎ団子を供えてお詣りをし、その後宴げを開くという。
山頂の二つの祠
登る途中からは法恩寺山や雪の無い白山の峰々が望めた。 今日は空気が澄んでいるのだろう。
勿論恐竜博物館のドームはきらきら輝いて大きく見える。
急坂で木立が切れると道は草に覆われている所も多く、帰り、つるに足を取られて前のめりに転ん
でしまった。 急坂で頭が下だとなかなか立ち上がれないので、我ながら笑ってしまったのである。
登山口まで戻ったとき、待っていたかのように姿勢の良い爺さんが現れて話しかけられてしまった。
この登山口の道は、この爺さんの敷地なのだと云う。それに頂上の二つの祠も、この爺さん達が担
ぎ上げたというし、頂上まで何百mという何本もの標柱も、頂上の祠から測って建てたと云うのであ
る。登山口の「ようこそ高尾山へ」という看板も、250年のケヤキの切り株に、この爺さんがかぶせ
て造ったものなのだ。ケヤキにまつわる話もあるのだが、それは省略する。
登山口
頂上に簡単なものでもいいからトイレくらいなければだめだとおっしゃる。
話の判る爺さんである。
そういう話も出ているのだけど、誰が溜まったものを降ろすかで話が止まっているらしい。柿の木が
何本もあって、 いくらでも採っていっていいと云うのだけど、
帰りの時間が気になっていたら、竹竿
で大きなごしょ柿というのを4つばかり採ってくれたのである。
感心したのは、たばこの吸い殻入れを持っていて、吸い終わったらそこへしまっていたことだ。足で
踏んづけて消したままになどしないのである。
ホームページに載せて欲しいと云うので少し詳しく載せることになりましたが、
これを読んだ方は
是非高尾岳に登って欲しいと思う。 この爺さんは中澤洋三さんといい、山口家の娘さんをお嫁に
貰ったそうで、梅本神社の裏手の家にお住いらしく、登山口の山口家は空き家だそうである。
いたれりのつくせりという感じで自動車の所まで見送られてしまったのである。まだまだ色々な話を
聞いたのであるが、訪ねて行けばいつでもお相手をしてくれそうな感じだった。ただし、お酒でも持っ
て行く必要はあるかもしれない。