北陸の峠道


多母谷林道から県境の峠へ

前々回の鮭ケ洞林道からの県境に続いて名前の判らない峠歩きだ。地図上で国境の両側に道が記入
されているので、昔は人々が行き交った峠だと推測するのだが、ここにまつわる話は全く判らない。なの
で、多分誰も行かないと思われるが、一応は道が記入されているので行ってみたくなってしまうのだ。

多母谷林道へ入ると、始まりから舗装はなく路面状態は悪い。RV車なら問題ないが、なにしろ私の車は
何処かの有料道路の料金所で「軽自動車でしたっけ?」と云われる程小さいので、無理はしないことにし
て早々に車を置いて歩くことにする。往々にして上の方は良い道だったりするのだが。


こういう景色は何処も同じですけど 好きな風景です コーヒーでも沸かしてゆっくりしたい気分です

熊ベルを鳴らして歩き出すと、早速動物の影が、猪が8頭ばかりの集団で沢を渉って斜面を駆け上がった。
沢から離れることなく道は緩く登り、常に沢音を聞きながら快調に歩く。天気が良いのであまり冴えない紅葉
もそれなりに美しい。道は広いがあまり歩きやすい道ではない。30分程でひっそり苔むしたお墓らしい石碑
があった。その後ろを窪んだ道が山の方へ向かってついている。何処へ行くのか昔使われた道のようだ。


林道終わりの標柱 広い林道から途端にこの草むらの中を行くことに

1時間で林道終点となった。地図では同じ感じで道があるのだが、ここからは全くの悪路なのだ。以前造ら
れた林道は廃道となり荒れるにまかされて、全ての石橋は崩れ落ち、数カ所は道は土砂で流されており、
谷を越える様な処もある。また、崩れた岩石の縁を崖から落ちない様に四つん這いになって行かねばならな
い処もあり、最初、上を迂回しようとしたが、とても無理みたいで諦めた。


ここの道の崩壊はひどい 向こう側に渡るのに苦労した 

林道跡だから判りやすいと思っていたら、どうやら間違えて薮漕ぎをしてしまった。沢から離れて高見になる
とやっと道はハッキリして、2時間40分程掛かって県境の稜線の鞍部に達することが出来た。標高差500m
くらいを登ってきたことになる。そこには大きな桧みたいな大木があって、桃の木峠の大杉を想い出させる。
そして、眼下に長滝の街をはじめ、蛇行する長良川を見下ろすことが出来たのである。


岐阜県側 右下の街は長滝

岐阜県側は急な斜面で、そちらへ降りて行く道は見つけられなかった。多分、とおの昔に無くなっているの
かも知れない。林道を最後まで辿って1156mのピークまで行ってみたい気はしたのだが、だいぶあるので
稲荷3個と大福1個を食べて帰路についた。2時間で車へ戻ることが出来た。

('04年11月5日)




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おまけ

紅葉はこんなもの 実際はもう少しきれいです


山の中のお墓?右側のものに「先祖代々」の字が見える 左側の碑は一番下の字が「願」だった


もう一度岐阜県側を