福井の小さな山歩記
寺地山
寺地山(1996m)は、富山岐阜県境にあって山之村から北ノ俣岳へ登る神岡新道の途中の山だ。
以前は打保から歩いたが、今は大規模林道が飛越トンネルを抜けて有峰湖へ通じているので、今
はトンネル入り口が登山口で「北ノ俣岳登山口」の看板があり広い駐車場がある。トイレはない。
17日に国道41号から471号線へ入り、神岡町の街を通り抜け「見座」から大規模林道へ曲がり
山吹峠を越えて山之村へ入った。とても良い道で峠を越えると牧場があって牛がのんびりと草を食
んでいる。右手に食堂がある所が「山之村キャンプ場」で、ここにテントを張った。天蓋山の登山口
でもある。ひと張り千円と安い。他に入場料大人1人百円。5分200円のシャワーもある。
山之村キャンプ場 この日テントを張ったのは我々だけだった
ほんとはテントを張る前に、山之村から有峰に抜ける唐尾峠へ行こうと思っていたのだが、入り口
に鎖があり、始めから歩かねばならないので時間が掛かるし、すでに午後1時を過ぎていたので寺
地山の登山口を確認してからキャンプ場に向かった。
テントを張るときは小雨で心配したが、翌朝目が覚めたときには曇りだった。まだ6時20分位だと
いうのに天蓋山の登山口目指してキャンプ場の中の道を2台の車が慌しく通り過ぎて行く、えらく早
いなと思う。午前中には余裕で降りて来られる。それに腰に籠を付けた茸採りの人がウロウロし始め
めた。それで我々も食事を済ませテントをたたんで登山口へ。登山口には前日からいる車も含めて
5台ばかり。車の中でふとんをたたんで登り出した人もいた。我々も7時半に歩き出す。
北ノ俣岳登山口 ここから登る トンネルの向こう側は有峰林道(有料道路)だ
この辺り一帯は「北ノ俣水の平自然環境保全地域」で、登山道は湿地帯という感じだ。始めからス
パッツを付けておけば良かったと思った。ゆっくり歩きなので苦しい急登は無かったが、全体に歩き
にくい道だ。あちこちに水芭蕉のお化けのような大きな葉が見られ、花の咲く頃はいいと思う。季節
によってはニッコウキスゲが見られるそうだ。今はリンドウが草地の周辺で蕾を膨らませつつあった。
驚いたのは大きな樹が何本も根こそぎ横倒しになっていたことで、根の張り方が浅いためだろうが
この前の台風で今までに無い強い風が吹いたのだろう。それにしてもひどい状況だ。
根こそぎ倒された樹 道沿いに何カ所も見られた 鏡池平の池塘
50分程で有峰湖の見える処を通過するが、この辺り以外は頂上までほとんど見晴らしは無い。そ
の頂上に近づく頃にはガスが渦巻いてきて、頂上に着いたときは目の前に広がるはずの北ノ俣岳や
黒部五郎岳は全く見えなくて残念だった。我々を追い抜いて山頂に着いた若い男の方も仕方がない
と言って降りて行かれた。
寺地山から1時間で水のある避難小屋、そこから2時間で北ノ俣岳、歩けるうちに行って見たい気が
するが、太郎平からの方が近いのかも知れない。
往復6時間歩くと、さすがに右膝がおかしくなりそうで心配になったが、そこから3時間半のドライブも
途中強い雨に見舞われたりして、なかなか緊張するものだった。
('04年9月18日)