福井の小さな山歩記


横尾峠から頭巾山

今年5月に登ろうとしたが途中で道をうろうろしたのと、わらびの群生地に腰を下ろしたために時間的
に頭巾山は難しくたってしまった。そこで紅葉の時期を狙っていたのだが「錦秋の若丹国境」と云うの
には少し遅かったみたいだ。しかし、斜面の下の方は陽が当たると、まだその輝きを見せてくれる。



この変わった堰堤前の河原に下りられる 画面左手から登る

最初の30分ばかりの登りをバイパスしようと車で細い林道を登り始めたら、巨大な落石が道を塞いで
いる。慎重に車をバックさせたが首が痛くなった。結局前回と同じ河原に車を停め、そこから送電線の
巡視路を登ることになった。

 

送電線の巡視路                                      二番目の鉄塔から

一旦林道に出て鉄梯子からまた登りになるが、二番目の鉄塔までの間は黄葉のトンネルで、足元は
赤い落ち葉も混じって、暖かい感じに包まれてカサカサと音をたてながら歩く。鉄塔からすぐに昔から
の峠道に入る。巡視路は峠道を利用していると思われる。

天気はまずまずで勝手知ったる道なので順調に歩いて横尾峠に。ところが峠の目の前の光景が5月
とはがらりと変わっていて荒涼としていたのである。すべてが刈り払われていて寒々としている。



横尾峠前の風景

峠からは稜線歩きとなる。お地蔵さんから稜線上の鉄塔へ、それから間もなく分岐を右手へ。稜線上
の樹々はあらかた葉を落としていて、何処までも枯れ葉を踏んで歩くが、斜面に目をやればさめた感じ
ではあるが、紅葉した葉が陽射しを受けて明るい。

広い稜線になると何処でも歩けるが、枝に付けられた赤いテープが案内してくれる。とてもテープが多
い。そんなに沢山の人がこの若丹国境を歩くのだろうか。それとも美山町の山森から登ってくる人が多
いのだろうか。でも、沢山の方々が歩かれても不思議ではない素敵な散策路だ。多少のアップダウン
はあるものの、全く危ない処もなく歩きやすい道なのである。
ゆっくり歩いてしみじみ秋を満喫出来る私にぴったりのコースなのだ。私の場合、やっぱり一人がいい。

 

             こんな処もある                                      こんな良い道が多い

頭巾山まであと1.3kmの標識のところで鈴の音がして、頭巾山の方から私くらいの年格好の人が
やってきた。挨拶だけですれ違ったが、若丹国境を踏破するみたいな完全武装といった感じだった。

福居への分岐点の近くで、踏んづけられて傷がついたのか細身のGiovanni Valentinoのボールペンを
落ち葉の間に見つけた。へこんではいるが使いやすく、まだ新しい物のようだ。そして、そこから最後の
頭巾山への15分程の登りになり、頂上直前に石仏がある。後ろを振り返ると、今歩いてきた稜線の連
なりが眼下に広がる。今日は来て良かったなあと思う。そして満足感に満たされるのだ。

 

今歩いてきた若丹国境を見下ろす                            頭巾山頂上

山頂には誰も居なかったが、すぐに声がして中年のご夫婦が到着した。京都側から来たそうで歩いた
時間は40分程だったとのこと。 360度の展望に満足と云った感じ。特徴のある青葉山が、そして海
が望見される。

一人のときには珍しく、ラーメンを食べ、バナナを食べ、コーヒーを沸かしてくる実入りぶどうパンまで食
べて腹一杯になって帰路についたのでありました。

(11月16日)



*名田庄道の駅に今月オープンした「よってっ亭」に寄って、おろしそば(500円)を食べた。


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