北陸の峠道
刀根越(久々坂峠)と玄蕃尾城跡
敦賀市刀根と滋賀県伊香郡余呉町柳ケ瀬の境にある。敦賀からは国道8号線から県道140号線へ
入り、信号機の付いた一車線のトンネル(旧北陸線柳ケ瀬トンネル)の入り口手前を左に曲がり、行き
止まりまで進んでいくと、そこが駐車場で峠へ200mとなっている。
刀根越(久々坂峠)標識が立っている 峠の大権現
峠からはジグザグの急な坂を登り、枯れ葉の真っ直ぐな道をしばらく行くと玄蕃尾城跡(国史跡)がある。
柳ケ瀬山(内中尾山)の山頂にあり、ひと汗かいてしまう登りだ。
この峠を巡る歴史は遠く紀元前に遡り、古事記・日本書紀の世界らしいが、中世となると信長と朝倉義
景との戦いで、朝倉の大軍が一度ならずこの峠を越えたと云われる。この周辺での戦いは義景にとって
自軍の2万余の軍兵が戦死したという悲惨なものだった。
本丸への入り口 空堀等が配してある 櫓台(天文台)
玄蕃尾城は、柴田勝家と秀吉の「賤ヶ岳合戦」のとき、勝家が本陣を構えたところで、「賤ヶ岳合戦」では
敗れてここに退いた。 玄蕃尾城跡は、南北300m・東西150mと広く、国指定史跡だけあってとてもきれ
いに整備保存されていて、雰囲気の良い処だ。一度は足を運んでみたいところである。
刀根越は、敦賀側は200mほどしか昔の姿を残していないが、余呉町側は、谷沿いに平坦な道に近い
様な緩い下り道がずっと続いている。そのまま歩いて下りたい誘惑に駆られる峠道なのだ。一度余呉町
柳ケ瀬からの登り口を確かめてみたい。
柳ケ瀬へ下る道 刀根側へ少し下った道沿いの仏 前の窪みは水場だ
(’01・10・07)